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ハルケギニアの電気工事
外伝:残された人々?とあるメイジ達の困惑
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だ。
 ならばと、蛇口の下に流し台も作り、立派な手洗い場が出来た。

 メイド長と執事頭にアルバート様の言葉を伝える。

「アルバート様の命により、西の離れの北側に、今度領内に設置する公衆トイレという物の試作品を作った。ついてはこの試作品の問題点を見つけるために、君たちメイドと執事に実際に使って貰いたいとのご要望が出されている。アルバート様が帰ってくるまでの期間、みんなで使って欲しい。そして、使ってみて問題になりそうな事を見つけたら、どんどん言ってきて欲しい。その意見を元に改良を行い、よりよい物を領内に設置できるようにする。これはアルバート様の考えた領内改革の第一歩である。協力をお願いする。」

 メイド長と執事頭は少し驚いたようだが、アルバート様の考えである事を理解し、それぞれメイドと執事達に伝えに行った。

「ところで、キスリング。そっちの方はどうなっている?」

「さすがはボンバード家だな。この屋敷にある秘薬だけでもかなりの効き目が出せる。今調合している秘薬がうまく行けば消臭剤の方は大丈夫だろう。後は消毒薬だが、多分今ある物で充分だと思うのだが、どうだろうな。」

「そうか。トイレの方は実際に使用して貰う事になったから、もう少ししたら試す事も出来るだろう。結果次第で改良するかどうか決めれば良いだろう。」

 こうして2日目は終わった。

 アルバート様が出発してから3日目。

 もう、局員募集の触れは領内全ての村に届いているだろう。選抜の事も伝わっているはずなので人数の方は問題無く収まった事と思っている。あれから、特に問題は報告されていないので、後は実際の面接まで何も起きない事を願おう。

 昨日から試しに使って貰っているトイレの方は、今のところ大した問題もないようだが、使っている内に少しずつ意見も出てきた。この調子でいけば改良の方も順調にいけるだろう。使い廻しの方はメイドと執事達が上手くやっているようだ。
 時々、キスリングが消臭剤をトイレに散布して、効き目を調べている。ほぼ完璧な出来のようで、使っているメイド達からも全然臭いがしないと報告を受けている。

 アルバート様が資源調査に出発してから3日が経ったが、特に連絡もないのでいつ頃帰ってくるのか判らない。予定では1週間で戻ってくると言っていたが初めての土地での調査だから、予定通りに行くとは思えない。出来るだけ早く帰ってきてくれる事を祈るしかないようだ。

 今日、訓練場の近くに物見台が作られた。これからアルバート様が帰られるまで交代で見張りが立つらしい。なんでも護衛隊から目の良い者を選んで見張らせ、アルバート様が帰られたらいち早く伯爵様と伯爵夫人に伝えるためのようだ。みんなアルバート様の事を心配しているのがよくわかる。毎日天気も良いので、時々伯爵
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