外伝:残された人々?とあるメイジ達の困惑
[2/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
アルバート様に、そんな危ない旅をさせる事など出来ないからとお止めしたが、どうしても必要な資材である事、事業が始まる前に探し出さなければならない事、何よりご子息には使い魔の『ヴァルファーレ』がいる事で押し切られてしまった。私達では対案を出せない以上、もはや伯爵様だけが頼りとなる。
アルバート様は、私には調査に行っている間に、トイレの試作品を作って、屋敷の人たちに実際に使用して貰い、不具合がないかの確認をしておく事と、キスリングには消毒と消臭の秘薬を作って効果の確認をして、どの位の広さにどれくらい散布すれば良いか、基準を作っておくように命じ、すぐに伯爵様にご相談に行かれてしまった。
そして、アルバート様は伯爵様にどのように説明したか判らないが、許可を取付けてしまい、速攻で準備を整えると『ヴァルファーレ』に乗って出発してしまった。
仕方ないので私たちは命じられた事を実行する事にした。ところがやっと仕事に取りかかった矢先に執事が飛び込んできて、なにやら問題が起きたのでアルバート様に相談したいと言い出した。そんな事を言っても既にアルバート様は遙かな空の上だから、相談など無理に決まっている。後を任された私たちで何とかしなければならない訳だが、問題の内容を聞かされて頭を抱えてしまった。
なんと、昨日領内の各村に出した局員募集のお触れに、凄い数の申し込みが殺到し始めているというのだ。まだ、この屋敷の近くにある5〜6の村位までしかお触れが届いていないはずだが、それだけでも50人近く申し込みがあって、各村長が対応に困ってどうしたら良いか指示を仰いでいる状況なのだ。このまま領内の全村にお触れが届けば、いったいどれだけの申し込みがあるか判らない。
いったいどんな待遇で募集を行ったのか確認するために、執事に言って募集の内容を書いた羊皮紙を持ってこさせた。これを読んでビックリした。こんな好待遇の仕事は、ハルケギニア中を探しても無いだろう。これでは申し込みが殺到するのも肯ける。しかし、ここで下手に募集を締め切ったりしたら領民の暴動が起きるかもしれない。これには正直困った。
何時までも放って置けば状況は悪化するだけだろうから、キスリングと二人で知恵を出し合い、選抜を行なう事、一次選抜として申込者が募集の条件に完全に合致しているかを確認させる事、現在の健康状態を調べて、健康な者だけを選抜する事を各村長に伝えさせた。おそらくあまりの好条件に我先にと申し込んできて、いくつかの条件を満たしていない者も混じっている事が考えられるし、健康な者だけに絞れば更に人数が減る事が考えられる。こうしておいて少し様子を見る事にした。
その後は特に何も起きず、二人とも命じられた仕事を進めていった。
私は、この離れの北側にゴーレムを使っていくつかの穴を掘り、それぞれ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ