第20話 憂国の大和撫子と軍令部総長の不安 Ev07
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日米開戦時における二方面奇襲作戦。
太平洋方面の正規艦隊を主攻と見せかけての南方作戦。
戦術でも戦略でも心理戦を制して作戦を成功させてるんだ」
「……なるほど。しかし有事において軍事的な手腕の高い方が
海軍長官を務めるのは頼もしいことなのではありませんか?
軍政は伏見閣下が補佐されておりますし」
「東郷長官は軍政家としても超がつくほど有能だよ。僕以上にね」
「まさか、陸海統合軍制改革の推進者である伏見閣下以上ですか」
福原いずみちゃんが驚きと疑いの声をあげる。
「軍制の改革は僕がいなくても長官だけでできたよ」
実際に現在の統合軍制改革の半分は東郷長官の意向で動いている。
せいぜい軍令部総長としての僕の影響力は全体の四分の一程度。
残りの四分の一は猫平内務長官や陸軍の改革派の意見を汲み取っている。
「他にも海軍が財界から熱い支援を受けられるのは長官のお陰だ。
東郷長官は凄いよ。僕なんかじゃ財界のマダムを手玉に取るなんて出来ない」
平良英知は愛国獅子団を支援する塔山財閥の令嬢と婚約するそうだ。
いわゆる政略結婚ってヤツだけど、身を差し出して財界から援助を引き出したともいえる。
東郷毅は政財界のマダムに媚びを売ってセックスしたりしてるわけじゃない。
まあ有閑マダムに手を出してたって驚かないけど、男性の財界人とトラブったという話もない。
別にセックスなんてしなくても財界のマダムたちは東郷毅にメロメロでゾッコン(死語)なのだ。
「閣下は昔っから人の多いところは苦手ですもんね」
「昔に比べればマシになったと思うけどね。人付き合いは」
「うふふ、そうですね。変わられたと思います」
僕も政財界のパーティーに呼ばれるけどマダムたちには玩具のように弄ばれている。
「ま、平良少将の考えは分かったよ。
福原中佐のことだけど……お互い職場だと堅苦しいな。
今晩空いてるなら、食事でもどう?」
「かしこまりました。
……お情けは頂けませんか?」
「僕は東郷長官と違って誰でも平等にってのは無理かな?」
今でも毅然と迫られたら手を出しちゃうと思うけどね(ノ・ω)ノ
すると福原いずみちゃんが翳った顔で訊ねてくる。
「やはり山下閣下の許可が必要ですか?」
「あ、いや、そりゃ、許可は……ないより、あった方が良いだろうけど、別に」
「それとも閣下は東郷長官の周囲にいるような積極的な女性が好みでしょうか?」」
「い、いや、僕としては控えめな恥じらいのある大和撫子ってめっちゃ好みだし!
そういう意味では、平良の家の教育には感謝してるよ。ホントに」
「……私は、あき兄様に相応しい女性に育ちましたか?」
「今更だけど婚
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