第20話 憂国の大和撫子と軍令部総長の不安 Ev07
[2/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
た、君を好きにしろって件か」
「はい。わたしは閣下がお求めでしたら、いつでも……」
「……とても魅力的な提案だけど、一つ教えて欲しい。
平良少将は、どうして東郷長官ではなく僕の方に君を?
若い僕の方が御しやすいと思ったわけ?」
「……いえ、平良は最初は東郷長官に抱かれてこいと私に命令を」
「だろうね。僕は山下陸軍長官と婚約関係だ。
そこに女性を送り込むってことは、下手すると山下家を敵に回すことになる。
愛国獅子団は陸軍からも支援を受けてるはずだ。
わざわざ波風立てる必要は無い」
「はい……閣下の仰る通りです」
「でも、福原中佐は自分の意志でこちらに来たと言ったね」
「そうです。私が平良を説得しました。
初めてを捧げるのは、あき兄様と決めていましたので……」
「平良少将を裏切ることになるよ?」
「はい……覚悟しております」
「平良少将は東郷長官の取り込みは諦めたの?」
「いえ、愛国獅子団に所属する別の女性軍人を宛がうと……」
「彼は『異国の連中と睦み合うなど許されん』とか言いそうだもんね」
「はい。東郷閣下に近づき、子を産み正妻となり間違いを正すよう命令されました」
はあ……送り込んだ女性は東郷長官に取り込まれるだけだろうけどね。
「平良少将は東郷長官を随分と甘く見てるな」
「……閣下は東郷長官を高く評価されておりますね」
「評価というか……正直に言えば恐ろしいよ」
単に原作ゲームの主人公であるからって訳じゃない。
東郷毅の恐ろしさは原作ゲームをしているときには気づけなかった。
アレはゼッタイにヤバいヤツだ。物腰柔らかだが眼が一切笑ってない。
「恐ろしい……ですか?」
「そうだね……福原中佐は宇宙艦隊を率いる提督として、
戦術家と言われるのに必要な能力は何だと思う?」
「そうですね。戦況に応じた戦術プログラムを使い分ける能力。
知識は当然ですが……判断力や決断力でしょうか?」
「そうだね。今や宇宙艦隊の戦闘は無数の戦術プログラム群によって制御されている。
そして提督によって得意とする戦術プログラム群がある。
正規艦隊の提督でいえば、南雲中将は持久戦、小澤少将は情報戦、田中少将は雷撃戦の専門家だ」
「伏見閣下は航空戦の専門家として知られておりますね」
「そして宇宙戦闘の攻撃手段は、戦闘機による航空戦、レーザー兵器による艦砲戦、
ミサイル兵器による導弾戦、鉄鋼弾による雷撃戦の四つだけだ。
優秀な提督であれば艦隊の性能をカタログスペック以上に引き出すことができる」
「はい。東郷閣下が戸隠閣下、大原閣下らを正規艦隊の提督に指名しなかったのは、
旧式艦に慣れた世代の提
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ