MR編
百五十一話 スイッチ!!
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スナとサチが同時にが顔を赤らめたり青ざめたりさせた。首を傾げたリョウに、フラフラとサチが近づいていく。
「え……え……?り、リョウ……?今、ユウキのこと……す、す……」
「……?おう……って、あぁ。ったくめんどくせぇな……ちげぇよ、男女じゃねぇ、好意を持って接しているって意味な?」
「あっ……」
「そ、そうだよね!?もう、紛らわしい言い方しないでよリョウ……!」
「寧ろボス攻略したばっかの今の流れで寧ろよくそういう勘違いできるな!?お前ら何か?俺がこの嬢ちゃんに秘めたる思いをもってて、ボス攻略を機に告ったとでも、本気で思ったか!?」
「わぁ、それロマンチックだねぇ!」
「お前さんは割と呑気だな」
心底安心したようにサチの顔に血色が戻るのと同時に、アスナがリョウに突っ込んでいくのを、心外そうにリョウが突っ込み返す、ユウキはと言うと、二人の様子から彼女達が何を思ったのか察しを付けるのに時間がかかったらしく、ようやく理解してポンッと手を叩いていた。全く危うく告白された立ち位置にされそうになったとは思えない呑気っぷりだ。
「でも……突然、どうして?」
「その……ボク、リョウさんに嫌われてるのかなって……」
「え?リョウ、そんな風な事……」
「言ってねぇよ。ま、けど色々あったからな」
「あぁ……」
少し困ったように言うリョウに、事情を察したようにアスナが頷く。彼女はサチと確認するように頷き合うと、ユウキとリョウを交互に見て、パンっと一つ手を叩いた。
「じゃあ、私達が間に立つ、ってことで!」
「うんっ」
「えっと……」
「考えてみたら、リョウの事はもっとちゃんと紹介しないといけなかったよね……ユウキは、リョウの事どれくらい知ってるんだっけ?」
「え?えっと、アスナとサチの友達で、キリトさんの家族で、あとはサチの……」
「そ、そう!サチの幼馴染なの!」
「?」
「好きなひと」と言いかけて、リョウの死角でサチが必死に首を横に振っているのに気が付きユウキは慌てて口を閉じ、同時にアスナが後を引き継ぐ。いぶかし気にするリョウを何とか笑ってごまかして、三人は話を続けた。
「えっと、幼馴染って……」
「小学生……より前の頃からの友達、かな、中学生の頃は別の街に住んでたけど……えっと……五歳からだから……」
「ま、大体付き合いは総計十年ってとこだな」
「十年!」
ほえぇ、と感心したように言って、不意に納得したような顔をする。成程、それならサチの様子にも納得が行こうというものだ。
「アスナとは?」
「私とは、三年くらいかな」
「へぇ〜……」
改めてユウキはリョウを見る。少しくすぐったそうにしているその表情は、先ほどまでよりも少し威圧感が薄らいで見えた。
「で、まぁ……ちょっと目つきは怖い所あるけど…
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