MR編
百五十一話 スイッチ!!
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ーな嬢ちゃん」
「え、いやでも、あれはリョウさんが……」
そう、あのタイミングでユウキが飛び込んできたのは、偶然ではない、いざという時は止めを刺すために飛び込んでくるように、事前にリョウが声を掛けていたからだ。スイッチのタイミングに多少不安はあったが、ユウキの反応速度なら多少のタイミングのずれを埋めるに足ると、リョウは踏んでいた。とはいえ……
「っつっても、タイミング完璧だったぞ?流石だな、絶剣」
そう言ってヒラヒラと手を振りながら、リョウはユウキの前から立ち去ろうとする。しかし……
「あ、あの!」
「ん?」
その背中を、不意に呼び止められた。
「間違ってたらごめんなさい、ボク……り、リョウさんに嫌われてますか……!?」
「……は?」
いやまて、何故そうなる?
予想外の言葉に久々に間抜けな声を出して振り向いたリョウはしかし、ふと自分の言動を思い出して気付く。成程、確かにユウキにしてみれば(実際がどうであれ)彼女がきっかけで自分とアスナはギスギスする羽目になっていたのだし、自分がユウキと関わる事をよく思っていないようにもとられたかもしれない。嫌われていると判断されてもおかしくはないだろう。
「あー、いや、別に嫌ってねぇよ?」
「ホントですか……?」
「おう、正直そう思われるのも仕方ねぇとは思うけどな?寧ろ、骨の在るいいゲーム仲間になりそうだ位には思ってんよ……マジだぜ?」
「…………」
「…………」
真偽を見定めるようにジッと見つめてくるラズベリーのような赤い瞳を、リョウも真っすぐに見つめ返す。嘘は言っていない。確かに思うところはあったが先ほどのアスナとの事もあった以上、これからはユウキとも普通に付き合っていくつもりなのだから。とはいえ、ユウキの方もやはりこういう事にはいろいろな経験があるのだろう。少しまだ表情が硬い。そこへ……
「あの……リョウ?なんでユウキと、その……」
「ちょっとリョウ!?ユウキの事なんで睨んでるの!?」
「ん?」
「あ、アスわぷっ!?」
と、脇から聞きなれた少女二人の声がして、二人はそちらを向くと同時に飛び込んできたアスナがユウキを抱きしめてリョウを睨んだ。
「おい騎士姫さんよ、オレがガン飛ばしてたみたいに言うなよ」
「だって目つき悪い感じでユウキをジーって……」
「生まれつきだわ、つか知ってんだろお前!?」
全力で突っ込むリョウにようやく微笑んだアスナを見て、サチが口を開いた。
「えっと……それで、どうしたの?」
「おう、ちょうどいいや、お二人さんよ、この嬢ちゃんにオレが嬢ちゃんをちゃんと好きだっつー事を説明してやってくれや」
リョウが何気なくそう口走った瞬間に……
「ふぁ……○×△■!!?」
「ちょっ……リョウ!?」
「あ?」
「?」
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