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SAO─戦士達の物語
MR編
百五十一話 スイッチ!!
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ま振りきられ用とした鋏の一撃を、サクヤが刀を逸らして受け流し、その振動が大太刀全体を震わせたのだ。

「動けるか!?」
「え、えぇ……!」
「な、ナイスカバーですサクヤ様!!」
「せぇっ!」
次いで飛び込んできたヤミとレコンが引き継ぐように蟹をけん制するのに合わせてシノンとサクヤは後退する。後に続いて到着した遊撃隊と前衛隊が、続いて戦線を再構築し始めるのを確認して、シノンはサクヤに声を掛けた。

「助かったわ、サクヤさん、ありがとう」
「なに、普段は飾り程度の太刀(こいつ)だが、偶の訳に立って良かったさ」
謝意を示すシノンに肩をすくめてサクヤは美しく光る刀の刀身を示す。その彼女の背中を、ボンっと叩く影が一つ。

「モー!いきなり飛び込んでいくからビックリしたヨ!」
「すまんすまん、久しぶりに無意識に身体が動いたよ、やはりたまにはこういうのも悪くない」
「こっちはヒヤヒヤしたんだってバ―!」
はっはっは、アリシャにとがめられるのも構わずと楽し気に笑うサクヤに、随分おてんばな領主もいたものだとシノンは苦笑する。と、高めの声が彼女を呼び止めた。

「シノンさん大丈夫ですか!?」
「シリカ?えぇ、平気、貴女こそ、大丈夫?」
「は、はい!あの、すみませんでした……」
申し訳なさそうにうつむくシリカに、どうしたものかとシノンは困ったように頬を掻く。

「気にしないで、なんていうか……」
「キュルゥ!」
すると、ピナがシノンに緑色の息吹を吹きかけ、先ほどの余波で減ったHPが全快するのが分かった。

「ありがとピナ……こういう事、お互いさまだしね?」
「は、はい!ピナ、ありがとね!」
「キュクルゥ!」
相棒の小竜と笑い合う少女に微笑ましいものを感じながら、シノンは弓の具合を確かめる。幸い特に武器に問題はない、先ほどまでと同じ精密射は可能だ。小さく笑いながら、彼女は再び弓を引いた。

「後衛隊、なるべくウンスイの正面に立たないように立ち位置に注意して!」
「隙を見逃すな!一発一発当てて行こう!」
「鋏食らうなよ!切断喰らったら多分即死だぞ!」
その後も互いに声を掛け合いながら、徐々に徐々にとウンスイのHPを削っていく。しかし最後のゲージに入ってからのウンスイは、それまでに輪をかけて防御能力がまし、攻め切るのが難しくなっていた。とにもかくにも鋼殻が硬いだけではなく、唯一の明確な弱点である顔面に関しても、盾の引き戻しがますます早く、スイッチのタイミングがシビアになり、SAOでスイッチに慣れ切った攻略組面子でようやくと言った所である、そうなると、必然、状況は消耗戦の様相を呈し始める。しかしあくまでも即席で組んだパーティである分、そうなってしまうと不利を強いられるのは目に見えている。
残りの一ゲージが、半分まできた
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