MR編
百五十一話 スイッチ!!
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を跳ね返す。そんな中、その後ろに居るメンツはと言うと……
「リーファ、クライン!大丈夫か!?」
「大丈夫〜!」
「おう、テッチがいるからな!」
「ウス!」
そう返してきた二人に頷いて、キリトは目の前に迫る瓦礫を悠々と切り裂いて迎撃する。同じように、エギルの後ろにはタルが、ジュンの後ろにはヤミが退避している。一方、レコンは流石にこの中でも指折りの軽装なだけあって、動きまわって自力で躱しているようだ。ユウキはというと……
「ほっ!やぁっ!」
「はは……こう簡単にまねされると、自信無くすな」
既にキリトと同じく、吹き飛んできた瓦礫を切り裂き交わしながら対処していた。とはいえ、これ以上ないほど頼もしくもある。流石に軽い瓦礫以外は後方組の居る場所までは届いておらず、届いた瓦礫も数が少ない為後方組の心配の必要はなさそうだ。
「(これだけの大技なら、終わった後に少しは隙が出来るかもな……)」
そのパターンを確認したなら、その時は其処に付け込むことも念頭に入れて動くべきだろう。とにかく、今は見の一手。
やがて動きが止まると、蟹は疲れたように少し制止した。
「よし!距離を詰めるぞ!」
エギルの指示で前衛隊がじりじりと距離を詰めていく。凡そ4秒ほど硬直した蟹が再び起き上がると、今度は正面でぴったりと盾を合わせた。
「防御態勢か……?」
いぶかし気にジュンが言う中、アスナは目を細める。縮めた蟹の脚元に、力が籠るように亀裂が走るのがその瞬間に見えた。
「ッ!違う、みんなウンスイの正面から離れて!!」
「!?退……」
アスナの声が部屋中に響き、全員が動き出した丁度その瞬間、まるで砲弾のように、巨大な盾を真正面に携えた蟹の身体が前方への突進を開始した。
「グッ!」
「テッチ!」
「っ、シリカごめん!」
「ひゃわぁぁっ!?」
退避の間に合わなかったテッチの身体が軽く3.4mほども吹き飛ばされるほどの凄まじい質量と初速の突進が、部屋を一直線に貫いて後方支援組の居る場所まで飛び込む。ギリギリのタイミングでちょうど丁度正面に立っていたシリカを首根っこを掴んで投げ飛ばしながらシノンが退避させる。しかし代わりに、彼女の方が余波を受けて転倒を起こしてしまった。
「まず……ッ!」
起き上がろうとしたシノンの目の前で、体制を戻したウンスイが鋏を振りかぶる、起き上がって回避するにはどう考えても近すぎる、衝撃を覚悟してシノンが身構えた次の瞬間……
「オォォッ!!」
「サクヤちゃん!?」
飛び込んだ緑がかった黒色の影が、金属音と共に裂帛の気合で以ってシノンを庇った、鞘から抜きかけた刀が、振りかざされたウンスイの鋏との間に火花を散らす。
「フッ!」
ギィーン!!と甲高い音が響く。受け止めたもののそのま
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