MR編
百五十一話 スイッチ!!
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の目がクラインを見る。タゲが移ったのだ。しかし、彼は今大技直後の硬直で動けない。そこに……
「オォッ!」
巨体が割り込み、払うように外側に向けて振るわれた左の爪を重たい金属の音が阻んだ。
「ナイスだぜテツゥ!!」
「ウス!」
立て続けに振るわれる右の爪を防いで一歩後退しながら、後退するクラインにテッチが返す。と、更に続けて蟹が大きく身体を引いた。
「ッ、テッチ、泡ブレスが来ます!!」
「!タル君、手伝って!!」
「た、タル君!?」
言うが早いが走りこむアイリが笑顔で呼びかけた当の本人が、若干顔を朱くしながらも後ろに続く。
「ヌゥッ!」
「テッチ君伏せて!」
「!ウッス!」
ブレスの為に引いた頭を引いた蟹は、現在頑なに守っていた顔面を開けている。逆に言えば、ブレスを打つ段になる寸前まで、顔面を守っていたということは……
「割れ、ちゃぇっ!!」
テッチの身体を飛び越えて踏み込むと同時に、掬い上げるように縦に一閃を叩き込む
カタナ 単発技 《浮舟》
「────!?」
「(入った!!)」
明らかに先程まで斬りつけていた関節部よりも軽い感触と共に、蟹の顔面が切れたのを感じる。一瞬の怯みと共に、テッチからこちらにタゲが移ったのが分かった。そこへ
「スイッチ!」
「シッ!!」
両手槍 七連撃技 《セブンスシャープ》
鋭く息を吐きながら、メガネをかけたシルフの少年が、立て続けに七つの刺突を叩き込む。槍の間合いから放たれたそれに合わせて後退しながら、アイリは相手を観察する。
「(ッ、リカバーが早い!)」
早くも鋏を引き戻し、タルケンを払いのけようとする蟹に、反射的にアイリは警告を叫ぼうとした、が……
「アイリ!スイッチ!」
「二人とも!そこどけぇ!」
「え、うわっ!?」
「わぁっ!?」
突然響いた大声に飛びのくように進路を開ける、紫色と紅いライトエフェクトの尾を引きながら少年と少女が飛び込んた。
「シッ……!」
クロ― 六連撃技 《ルイシ・カズーニ》
「スイッチ!」
「ぜぇりゃぁっ!!」
大剣 重突進技 《アバランシュ》
高速でたたき込まれるクローの連撃に続いて、飛び込んだ小柄な少年が重々しい風切り音を立てて蟹の頭めがけて大剣を振り下ろす。メイスにも近い音を響かせながら蟹の顔面に向けて巨大な縦傷を付けるその一撃にはさしものボスモンスターと言えどたまらず大きく怯む動作を見せ、おかげで後退する時間が稼げた。
「さ、サーンクスー!ヤミ―!」
「ジュン、ナイスフォローです!」
「おう!」
「はぁ、あぶなっかしいったら……」
兜の向こうから除く瞳と共にサムズアップするジュンとため息をつくアウィンが後退すると同時、がら空きに
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