第十幕その六
[8]前話 [2]次話
「困るんだよね」
「あっ、確かにね」
「日本の今の季節って雨も多いね」
「結構強い雨も降るし」
「風も出たりして」
「花びらが散るのよね」
「そうなんだよね、それがね」
どうしてもというのです。
「心配だね」
「寒さが終わったけれど」
「それでもだね」
「雨が降ればね」
「問題だよね」
「桜が咲いている間はね」
先生が思うことはといいましうと。
「降らないで欲しいね、けれど一回か二回はね」
「絶対に降るよね」
「雨は」
「それが心配よね」
「降ってそして桜が落ちることが」
「どうしても」
「落ちないで欲しいよ」
雨は降らないで、というのです。
「出来るだけ長く咲いて欲しいね」
「何か詩的な表現だね」
「じゃあその気持ちを和歌にしてみたら?」
「和歌会の時も」
「そうしてみたらどうかしら」
「そうだね」
先生は皆のお言葉に頷きました。
「他にも詠ってみるけれどね」
「英語の詩も書いていたし」
「そっちもだね」
「ちゃんとするんだね」
「そうしたことも」
「そう考えているよ、英文詩の感じも和歌に変えたら」
イギリス人として思う先生でした。
「どんな和歌になるのか」
「楽しみよね」
「そこもね」
「やってみるのね」
「やってみるの精神でね」
まさにそれでというのです。
「そうした和歌も書いていくよ」
「よし、じゃあね」
「やってみよう」
「先生のチャレンジ精神にも期待してるわよ」
「そっちも見させてもらうよ」
「期待されると困るけれど」
控えめな先生は照れ臭く笑いました。
「けれどね」
「それでもだね」
「和歌も頑張るね」
「この調子だと満開だけれど」
和歌会の時にはです。
「さて、どうなるか」
「和歌会は」
「桜の中でやるけれど」
「どれだけ雅なのかしらね」
皆もそれが楽しみです、そうしたお話をしてでした。先生達は桜達が咲くのが間もなくだということに喜んでいました。
そのうえで図書館に今書いている論文の文献を借りに行ったのですが。
そこでトミーに会ってです、こう言われました。
「先生いつもよりご気分がいいですよね」
「あっ、わかるかな」
「にこにことしてますから」
普段以上にというのです。
「ですから」
「うん、桜をを見ていてね」
「もうすぐで咲きそうだからですか」
「それでなんだ」
まさにそれが為にというのです。
「今確かに気分がいいよ」
「やっぱりそうですね」
「あと少しでね」
「桜が咲いて」
「和歌会の時はね」
あと少しですが。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ