暁 〜小説投稿サイト〜
アメリカンドリーム
第一章
[2/2]

[9] 最初 [2]次話
「やっぱり大農園の主にもならない」
「大牧場もだね」
「ああ、穀物メジャーにもならないさ」 
 農業や酪農関係はそもそも出来なかった。
「だから。本当にね」
「慎ましやかに生きる」
「そうするのか」
「これからラビの資格を取って」
 ユダヤ教の聖職者だ。ユダヤ系の社会ではなくてはならない存在だ。
「静かに生きるよ」
「まあ君がそう言うんならね」
「僕達に否定する理由はないさ」
「じゃあラビになってね」
「幸せに生きるといいよ」
「うん、それを目指すよ」
 ヨセフはにこりと笑って友人達に述べた。
「チーズと肉は同時に食べない様にしてね」
「ラビになるとその辺りが特に厳しくなるね」
「とりわけね」
「なるだろうね」
 また言う彼だった。
「けれどそれでもね」
「ラビなって静かに生きるのか」
「やがて家族を持ってそうして」
「そのうえで」
「多分この街からも出ないよ」 
 シカゴからもだというのだ。かつてアル=カポネがいたこと以外でも自動車産業やミシシッピーの河口にあることで知られているこの大都市で。
[9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ