3. あなたのためにがんばりたくて
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。PT子鬼さんが指差す方へと、歩を進める。5分ほど歩いたところで、稽古場らしい建物が見えてきた。かなり大きな二階建ての建物で、二階は観客席になってるみたいだ。稽古場というよりは、学校の体育館みたいだね。
「あ、天龍2世!! 迷子になったと思って心配したじゃねーかッ!!」
「コワイカー!!」
その入口前。黒のスーツを羽織り、下はスカートを履いた、なんだかガラが悪そうな女の人がいた。その人は僕達三人の姿を見るなりそう声を上げ、僕達に走り寄ってくる。正対して分かったんだけど、この人、子鬼さんと同じ眼帯してる。
「まったく……心配かけんなよなー」
「コワイカー」
「わりい。天龍2世と妖精をここまで連れてきてくれてサンキュー」
「いえいえ。僕がお願いして、二人にここまで連れてきてもらったんです。……僕は普賢院智久です」
「おー! お前があの普賢院智久かー! ロドニーと鳳翔さんから話は聞いてるぜ!!」
う……ロドニーさんめ……また何か余計なことを話してるんじゃないだろうな……そして鳳翔さんが僕のことをなんて言っているのか、非常に気になる……
「俺の名は天龍……」
「ああ。よろしくです」
「フフ……怖いか?」
「はぁ……」
「コワイカー!」
うん。この天龍さんて人、子鬼さんそっくりだ。なんかよくわかんないけど、そんな気がする。一件強面だけど、妙に可愛らしいところが。
その後は、天龍さんが稽古場の控室まで案内してくれた。なんでも……
「鳳翔に、お前の稽古場までの案内を頼まれてたんだ。でもお前の方から来てくれて助かったよ」
「へー……鳳翔さんはお忙しいんですか?」
「アクシデントがあったらしくてさ。みんなへの弁当がまだ出来てないそうだ。お前に『頑張ってください』って言ってたな」
とのことで。鳳翔さんは今、食堂でがんばってお弁当を作っているそうな。鳳翔さんのお弁当……ゴクリ……。
天龍さんに案内された控室で剣道着に着替え、稽古場に入る。
「……失礼いたします」
入る前に、頭を下げることは忘れずに。剣道を離れた僕だけど、礼節はキチンとしておかないと。
稽古場では、すでにトーナメント大会の準備は完了しているようで。たくさんの人で賑わっていた。二階の観客席は4つの区画に分かれていて、それぞれ『磨け! ビッグセブンクリーン・一航戦!!』『焼きつくせ! Pizza集積地!!』『太陽のように輝け! 大淀パソコンスクール!!』『今日の夕飯は食堂だ!!』といった、応援の横断幕が掲げられている。わいわいがやがやと賑わっているが、大淀パソコンスクールの一角だけ、妙に年齢層が高いのはどうしてだろう? 「やせぇええん」と騒ぎ立てるえらくキレイな女の子もいるが、その大半はおじいちゃんおばあ
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