0251話『平和的な薬の副作用(その2)』
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提督の姿に三人も顔を赤くしながら、
「あちゃー……これは、いけないねぇ」
「うん。司令がとても可愛いです……」
「鳳翔さん! 迷子にだけはさせないでね! きっと今の提督はその可愛さから誰かに誘拐されちゃうかもだから!」
「はい。しっかりと手を握っていますね」
そんな感じで那珂さん達とも別れてその後も何名かと遭遇するたびに心配されながらも一日が過ぎて行って、
「それで、提督。なにか思い出しましたか……? 大体の場所は廻ったと思うんですが……」
「ううん、ごめんなさい……まだなにも思い出せないの……」
「そうですか。でも焦ることは無いです。じっくりと思い出していきましょうね?」
「……うん」
どこか提督は浮かない顔をしていますね。
きっと思い出せないのが辛いのでしょうか……?
「いけないいけない!」
いきなり提督は頬を何度も叩いていました。
「暗い事を考えちゃうとダメだから気持ちを強く持っていくね!」
「提督! はい、それでいいと思います。頑張りましょうね」
「うん!」
鳳翔さんとそう約束して今日は特になにも掴む事が出来ずに一日が終わっていきました。
明石さん、開発の方は順調でしょうか……?
「青葉よ……」
「はい、長門さん」
「礼のブツは……?」
「ここに……」
青葉は長門からそう言われて数枚の提督が映っている写真を見せて、
「高値で買おう。いつ提督が戻ってしまうか分からない現状でこれは貴重な財産になるからな」
「長門さんもいけない人ですねー。素直に会いに行けばいいじゃないですか?」
「それはダメだ。私はいざ提督を前にした時に理性が制御できるか分からない。もしこの力で提督を抱きしめてあの細い腕に少しでも傷がついてしまったら、私は立ち直れないだろう……」
「そうですか。それではまた提督の追跡調査に戻りますね」
「ああ。いい写真が撮れることを祈っている」
「了解です!」
二人の密約はここになされ……、
「あの、長門に青葉……? 私もいる前でそういうのはしないでちょうだい?」
なかった。
二人の会話を聞いていた陸奥が呆れ顔でそう言っていたのであった。
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