ep13 痛みに次ぐもののために
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アロウズの巡洋艦がMS収納ハッチを開いたのを確認し、バラック・ジニン大尉は機体の体勢を整える。訓練は抜かりない。もうアヘッドの扱いには慣れていた。
コロニー『プラウド』でのカタロン掃討作戦。新型オートマトンが初めて投入されるこの任務で、イレギュラーが発生した。
「……今さらソレスタルビーイングだと?」
半壊したガンダムの襲撃と、新型らしきガンダムの出現でアラッガ中尉が戦死した。戦場に死はつきものとはいえ、この流れは想定外だった。
アヘッドを母艦に収容し、ジニン大尉はコクピットを出る。後方に着艦した3番機からルイス・ハレヴィ准尉が虚ろな顔をして向かってきた。
ジニン大尉は顔をしかめ、ハレヴィ准尉に声をかける。
「報告に行くぞ、准尉」
「はッ……」
ーーアロウズのMSパイロットでありながら初陣……。コネでも使って軍に入ったのか?
ぐったりした様子のハレヴィ准尉を横目に、ジニン大尉は司令室へと先を急いだ。
司令ーーアーサー・グッドマン准将はジニン大尉の報告を聞いた後、宙域データをモニターで確認した。
「プラウドでガンダムの攻撃を受けたのは驚いた。だが、これで我々の有用性はより一層高まる」
「ガンダムの追撃はあるのですか?」
「もちろんだ。第1、第2MS小隊によるソレスタルビーイングへの奇襲をかける。大尉、指揮は貴官に任せる」
「はッ」
ジニン大尉はふらつきがちのハレヴィ准尉と共に司令室を出て、パイロットルームへ入る。
震える手で精神安定剤を口に含むハレヴィ准尉に、ジニン大尉は思わず言葉を漏らす。
「なぜこんな奴がアロウズにいる」
連邦政府直轄の独立治安維持部隊。ジニン大尉は統一世界の礎となるべく、この部隊に志願した。連邦に反する者たちを駆逐し、1つの軍が市民の安全を確保する。その先にこそ平和は勝ち取れると彼は信じていた。
「そのためにも、ガンダムは何としても排除しなければ……」
先の戦闘で、アヘッドが現実的にガンダムと対抗できることを証明した。勝算は十分にあるはずだ。
ジニン大尉はハレヴィ准尉に対して言葉をかける。
「生温い意志でアロウズにいるなら辞めた方がいい。ここは世界の敵と向き合う前線だ」
「……大丈夫です。私は、恒久和平実現のために戦います」
「そうか。なら、それ相応の覚悟を見せるんだ」
軍服に着替えたジニン大尉はパイロットルームを出て自室へ向かう。
ハレヴィ准尉がどうしてアロウズにいるのか。その理由はジニン大尉にとって大したことではなかった。だが、自分が持つ部下として、アロウズで戦うことの重みを知ってほしかった。
「改革に痛みを伴う
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