ep11 I am qualified.
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
覧にいれます」
グッドマン准将を乗せたリニアトレインが地上へ向けて出発した時間だ。リントは自室から地球を眺めながらククッと笑う。
「アロウズ転属は2日後から。つまり今日がここでの最後の仕事か……」
自分がアロウズに転属するかもしれない。そんな話は前々から聞いていた。それに、リント自身もアロウズが自分にとって居心地の良い職場になることは何となく分かっていた。
ーー超法規的なあの部隊でなら、私のやり方をとやかく言うことはできない。
ーーたまにいる。私の作戦を『後味が悪い』などと言う者が。
リントは何も自分のために任務を全うしているわけではない。アロウズによる反政府組織の打倒は統一世界への第一歩となる。そのためには、力を押してでも潰すべきものは潰すのだ。
そのとき、中央管制室にいる副官から連絡が入った。
『司令、エレベーターに向けて進行する所属不明の物体を確認しました。映像を出します』
携帯機器の画面に表示されたのは、輸送艦2隻だった。そこからMSが出撃しているのが分かる。
「オービタルリングの上からエレベーターに特攻をかける気か?今どきそんな稚拙なテロをやる奴がいるとは……。第1、第2MS小隊を出撃させ、これらを掃討せよ」
『了解』
リントは自室を出て、管制室へ急ぐ。最後の最後でテロリストの攻撃を受けるというのは嫌な話だった。
ーーだが、ある意味好都合だ。
これからアロウズに入れば、前線で指揮を取ることになる。その準備運動だと思えば自分の中の士気も上がる。
ーー最後の仕上げだ。私のやりたいようにやらせてもらおう。
管制室に入り、司令席に座る。リントは目の前の大型モニターに映る敵を確認した。敵の戦力はこちらに比べてかなり劣っている。危険性は限りなく低い。
「ジンクスU出撃確認」
第2小隊のジンクスUキャノン隊による長距離攻撃が放たれる。前方に展開していたMSの大破率は9割を叩き出していた。
続いて、後方に構えていた第1小隊が敵に急速接近する。ジンクスUソードが配されたこの部隊で敵の各個撃破を行うためだ。
輸送艦の1隻がジンクスUに包囲され、四方からビーム攻撃を受ける。
もう1隻はキャノン隊によって破壊され、増援部隊は艦の中で戦闘不能になった。
副官の淡々とした声が管制室に響く。
「敵勢力、沈黙を確認しました」
「破壊した機体の撤去作業を進めろ」
「了解」
実に呆気なかった。リントは手元のモニターで戦闘開始と終了の時刻を確認した。たったの2分だった。
ーー雑念が判断を遅らせ、解決を遠ざける。作戦指揮官にはこれができなければダメだ。部下に躊躇いを持ってど
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ