暁 〜小説投稿サイト〜
チェロとお味噌汁と剣のための三重奏曲
1. あなたと言葉を交わしたくて
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、そのまま今度は主菜の筑前煮に箸を移す。鶏肉を一つ箸でつまみ、口に入れた。

「んー……」

 途端に口の中に広がる、筑前煮とご飯の美味しさ。単独で食べてもとてもおいしい筑前煮が、ご飯の美味しさと合わさって、僕の心を幸せにしてくれる。おいしいおかずは、ご飯と一緒になると、ご飯の美味しさを何倍にも増幅させてくれ、自分自身もさらに美味しくなる……何度食べても、その度に思う。この筑前煮は絶品だ。

「……おいしいっ」

 思わず口を突いて出る本音。やっぱり鳳翔さんが作るご飯は美味しいなぁ……

 ……そう。僕は、この食堂で働く元艦娘、鳳翔さんに恋をしていた。


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