第四十二話 叙爵への道
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今回は短いです。
■オーディン 幼年学校寄宿舎内の会話は、
田中芳樹先生の原作から流用していますので、書き方は先生の書き方です。
外伝千億の星、千億の光 第六章 伯爵家後継候補より
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第四十二話 叙爵への道
帝国暦479年1月7日
■オーディン 宮内省 宮内尚書室 ミヒャエル・フォン・ノイケルン
昨日皇帝陛下から急のお呼びがあり、
当初は今回後宮に上がる新しい寵姫についての事かと思ったが、
陛下が直ぐに参内せよとのお呼びがあり、
いったい何が生じたのかと慌てて参内すると、
謁見の間において、皇帝陛下が既にお待ちであった。
普段の飄々としたお姿と違い、今日の陛下は怒気が見えるようであった。
一瞬ルドルフ大帝が目の前に降臨したかの如くであった。
陛下は私にむけて『卿の部下が予の股肱の臣たるグリンメルスハウゼンの孫娘を無理矢理連れ去ろうとしたそうじゃ、おぬしの差し金か?』
私は驚きをもって話を聞いた、
確か数日前部下から皇帝陛下の新たな寵姫を見つけましたと、
押しつけがましく報告した者が居たものだが。
あの男か、よりによって陛下の知己の令嬢を連れ去ろうとするとは、
私の監督責任が問われるではないか。
此処まで出世したものを、あんな小役人風情に足を引っ張られるとは。
陛下が目を細めながら私を睨む、肝が冷え身が縮まる。
陛下の最近の御変わりようは、
グリューネワルト伯爵夫人が寵姫に上がってからだと、もっぱらの噂であった。
『宮内尚書あの娘の母親は、グリンメルスハウゼンが外に作った子でな、
予もよう知っている娘なのじゃ、その娘を予の寵姫にしようとするとは、
グリンメルスハウゼンの孫は予の孫と同じと考えよ!』
余りの話に膝が震えだした、陛下の孫同然の少女を危うく献上する所であった。
陛下お怒りの中、私はあの男をどうしてくれようと考えていた。
帝国暦479年1月22日
■オーディン 幼年学校寄宿舎
「キルヒアイス、宮内省と典礼省から俺の叙爵に対する書類が送られてきたぞ」
「其れはおめでとうございます、ラインハルト様」
「姉上のグリューネワルト伯爵家の一門で断絶していた、
シェーンヴァルト男爵家の名跡を下賜されると書かれているぞ」
めずらしいといえば、この皇帝の好意を、ラインハルトが素直に喜んでいるらしく、
キルヒアイスには見える。
つねであれば、皇帝の恩寵にたいして、曲線的な感受性の表現でむくいるのだが。
「ラインハルト様はミューゼルという姓を棄てるのですか?」
それほど深い意図もなく訊ねたのだが、
一
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