第五章
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な」
「そうだと思うぞ」
「そうか。ではやはりわし等が葬った」
あの女こそ師の娘ではなかったか。彼はこう言おうとした。するとだった。
医師がだ。彼にこう言ってきた。
「そうやも知れぬな。いや」
「いや?」
「そう思うか」
こう彼に言ったのである。
「あの女こそ先生のお嬢さんだったのじゃ」
「そうか」
「そうやも知れぬしそうであらぬやも知れぬがな」
はっきりとはわからない。だがそれでもだというのだ。
「しかし。おそrく先生のお嬢さんはじゃ」
「もうおらんか」
「そうであろうな」
何もわからないと医師は言い彼も頷くだけだった。そしてだった。
岡っ引きが二人にこう言ってきた。
「ではここから離れて飲みに行くか」
「うむ、ここにいる理由もなくなった」
「出入りすることもなくなったからのう」
二人にとっては吉原は最早そうした場所に過ぎなかった。それでだった。
岡っ引きの言葉に頷きそしてだった。
三人で吉原を後にして他の場所に飲みに行った。その際みちのくの訛りでちゃんと呼ぶ女の声が聞こえた。だがその声は違うとわかっていたので振り向くこともなく吉原を後にしたのだった。
遊女 完
2012・7・23
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