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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
邪願 2
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、呪術に備えのない一般人がそれに接すれば直接傷つかなくても心身に障害を残すことがある。ましてや動的霊災から攻撃を受けて瘴気にあてられることは致命的だ。
野生動物の牙や爪には雑菌がうようよしていて、毒をもたない生物であっても傷つけられれば破傷風や敗血症になるが、それと似たようなものとも言えるだろう。
秋芳は手早く治療するとともに抜け目なく川平の持ち物も物色した。有名ブランドのクロコダイル長財布が目に留まる。秋芳の経験上、富豪というよりは成り上がりの小金持ちが好んで身に着けるしろものだ。
こいつ、カモになるかも。
無資格のはぐれ呪禁師時代だった頃の悪い考えがかま首をもたげる。
「この場で完治できる霊薬の持ち合わせがないこともない。かなり値が張るしろもので……、ところでこの人は知り合いかい?」
若年の彩菜と中年の川平の組み合わせは恋人同士には見えなかった。親子というほど歳は離れていないが兄妹ほど歳が近いようには見えない。着ている服もブランド品でいかにも高価な川平に対して彩菜のそれは地味な装いで釣り合いが取れない。なによりも恋人同士に特有な親密な気を感じられない。
ゲスなかんぐりをすれば愛人関係に見えた。若い女をかこえるほど余裕のある相手からなら、少々ファンドしてもらっても罰はあたらない。
「あ、はい。そのぉ、仕事関係の偉い人というかなんというか……」
彩菜は自分たちの身の上と、ここで起きた出来事をかいつまんで説明する。もちろん枕営業うんぬんの話は出さなかったが。
「まぁ、声優さん!」
「いえ、正確にはその見習いというか卵というか……」
「でも事務所に所属していてガヤの仕事もしてるって言ったわよね、あなたくらいの歳でそれってすごくないの?」
「ぜんぜんすごくないです、あたしよりも年下でも歌も演技も上手でヒロイン役をいっぱいやっている方とかいますし」
「まてよ、プロデューサーの川平って、あの川平浩瀬か?」
「ええ、エターナル・ジェネレート・パイオニア・ジャパンの川平浩瀬です」
「それは『毒殺天使LOLちゃん』や『チワワ★デラックス』のPやってた川平浩瀬だな」
「そ、そうです。その川平浩瀬です」
よくそんな作品を知っているものだ。この人オタクの人かしらと思う彩菜。
「○○や××にパパとか言われてご満悦になっている枕Pだろ」
「いや、それだけで枕って決めつけるのは……」
いきなり枕呼ばわりもないものだが、現に先ほど身体を要求されたわけであり、否定はできない彩菜であった。
「こいつに関しての黒い噂ならいくつも聞いているぞ。だいたい俺はPという手合いがきらいなんだ。なにひとつ創らずなにひとつ生み出さず他人に働かせ、苦労と労力と努力をさせて自分は安楽椅子に腰かけたまま巨大な利益
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