巻ノ百十五 異端の者達その七
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「よいな」
「承知しました」
「さすれば」
「例え戦になろうともだ」
それでもというのだ。
「必ず証拠を手に入れてだ」
「そしてですね」
「我等全員が、ですな」
「生きて帰る」
「そうすべきですな」
「死ぬことは許さぬ」
こうまでだ、服部は十二神将達に告げた。
「いつも通りな」
「はい、忍の道は死ぬものではない」
「生きることですな」
「目的を果たせば去る」
「陰として」
「そうじゃ」
まさにというのだ。
「だからじゃ、戦をしても目的を果たせばな」
「生きて戻り」
「そして大御所様にお届けする」
「その証拠を」
「そうするぞ」
こう言ってだ。そしてだった。
服部は夜になるとすぐに大久保家の屋敷に向かった、十二神将達もそれは同じであった。
屋敷の近くの山から屋敷を見てだ、服部はまた言った。
「見れば見る程だな」
「はい、全く以て」
「堅固なものです」
「見張りの兵達も多く」
「特に」
見れば南蛮の者達も多かった、変装はしているが彼等の目から見れば変装をしているのは明らかだった。
「南蛮の者達が」
「妖気さえ感じます」
「あれを見ますと」
「どうにも」
「楽に勝てる相手ではない」
こうも言うのだった。
「我等の任を果たすことはな」
「左様ですな」
「どうにもです」
「あの者達は強いですな」
「気もまた」
「しかしじゃ」
それでもとだ、服部はここでまた言った。
「それで諦める訳にはいかぬ」
「はい、あの城に入り込み」
「そして手掛かりを手に入れましょう」
「あの屋敷の何処かにあるそれを」
「我等の手で」
「お主達を分ける」
服部は城に入るそのやり方も述べた。
「北からは神老、無明、道化だ」
「はい」
「わかりました」
「それなら」
「そしてだ」
三人の言葉を聞きつつだ、服部はさらに告げた。
「双刀、音精、雷獣は東だ」
「承知しました」
「では」
「我々はそこから」
「西はだ」
服部はさらに言った。
「絡繰、剛力、氷刀だ」
「わかったでありんす」
「見事果たして見せます」
「お任せを」
「南にも向ける」
その南はというと。
「土蜘蛛、幻翁、そして妖花が行け」
「よし、それでは」
「そちらはお任せを」
「私達が行くわ」
最後の三人も応えた、そしてだった。
服部は自分自身がどうするか、それも言った。
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