第二章
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るまで見送って。それからだった。
自然と涙が流れてくるのを感じた。けれどそれと一緒に。
笑顔を作ってそれからだった。こう女友達に言った。
「じゃあ今からね」
「飲みましょう。二人でね」
「今日は飲むわ」
泣きながら笑って。こう答えた。
「とことんまでね」
「付き合うからね、こっちも」
「有り難う。それじゃあ」
私はあの人が消えた海に背中を向けて友達と一緒に港を後にした。その中で。
あの船を見た。難破船は何も語らない。けれどその朽ちていく中で妙な存在感、そして悲しい奇麗さを冬の仲に見せながら。そこに静かにいた。
難破船 完
2012・3・3
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