ペルソナ3
1903話
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「え? えっと……アルマー、何?」
「何じゃなくてだな。……さっきから呼んでたのが聞こえなかったのか? 前にも何度か同じ事があったが、本当に大丈夫なのか? 順平と一緒に、有里も検査を受けた方がよくないか?」
「いいよ、問題ないし。……それに、退院してからまだそんなに経ってないから」
そう告げる有里だが、桐条達にとって、有里というのは非常に貴重な人材だ。
リーダーとして見る目が広く、ペルソナチェンジという類い希な能力を持っている。
それでいながら、ペルソナだけではなく武器を使った戦闘でも順平と違ってそつなくこなす。
それだけに、有里に何かあれば大変だ。
……桐条がそう判断しても、おかしくはなかった。
「何? それは大変だ。やはり有里もしっかり検査をした方がいいな」
「え? ちょ……だから僕は……もう、エリザベスのせいで……」
有里が最後に口の中だけで呟くが、幸か不幸か桐条にはその言葉は聞こえてなかったらしい。
にしても、エリザベス? 名前から考えれば女っぽいけど……何でそんな名前を口に出す必要がある?
考えられるとすれば、有里が何らかの理由でそのエリザベスという女と親しくなっており、その女の事を考えてボーッとしていた……とかか?
エリザベスって名前から考えると、多分外人の女だろう。
もしくは、ペンネームやハンドルネームじゃなくて……源氏名だったか。
そんな感じの名前で、本名と違う名前を名乗っている可能性もある。
……うん、もし本当にそうだとすれば、色々と有里が大変な事になるかもしれない。
見ての通り、桐条は外見では大人っぽいが、かなり初心だ。ゆかりもそれは同様で、男女関係にはかなり疎い。
そんな2人が、実は有里が源氏名を必要とする店――風俗なのか、キャバクラなのか、そういうのは分からないが――に通って、エリザベスとかいう女に入れあげているのを知れば、どんな反応をするのやら。
それはそれで見てみたい気もするが、せっかく順平の問題が片付いたのに、その場でいきなり新しい問題を……というのもちょっとどうかと思う。
「とにかく、伊織も検査を受けるのだから、有里もしっかりと検査を受けるように。いいな?」
ぐっと鋭い視線を向けられてそう言われると、普段は面倒臭そうにしている有里であっても、それに頷かない訳にはいかなかったのだろう。
渋々……本当に渋々といった様子ではあったが、有里も検査を受ける事に同意する。
まぁ、風俗とかキャバクラとかに通ってる事が桐条達に知られなかっただけでも、運が良かったのだろう。……多分。
「さて、じゃあ有里の検査の件も決まった事だし、そろそろ帰るか」
何故か有里からジト目を向けられていたが、物思いに耽っていて俺の言葉を無視した自分が
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