ペルソナ3
1903話
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つい昨日までのように、俺に対して険悪な視線を向けてくるような事はない。
「何ですか、桐条先輩」
「アルマーから、伊織が相手の使う毒の魔法を食らったという話を聞いた。念の為、影時間が終わったら病院で検査をしたいのだが、構わないか?」
「え? 検査って……大丈夫っすよ? ほら、今は何ともないし」
検査は大袈裟だと、そう言いたいように軽くジャンプをしてみせる順平だったが、桐条はそれに対しても首を横に振る。
「駄目だ。もし今大丈夫でも、後で何か起こったら大変だろう。それに……こう言っては何だが、今回はシャドウが使う毒がどのくらいの威力を持つのかを調べるにもいい機会だしな。まぁ、本当に解毒が完全に済んでいるのであれば、意味はないだろうが」
「あー……なるほど。そういう面もあるのか。うん、分かった。じゃあ、世話になります」
順平にとっても、別にどうしても検査が嫌だとか、そういう事ではなかったのだろう。
実は何か重病を患っているとか、そういう事でもないだろうし。
だが、その検査を受ける事でシャドウの毒が多少なりとも解析され、これからの戦いで楽になるかもしれないと言われれれば、断る訳にもいかなかった。
もっとも、検査が面倒臭いというのはあるのだろうが。
そもそもの話、どれくらい綿密な検査をするのかは分からないが、シャドウの毒の痕跡を探す為の検査だ。
恐らく、かなり細かい検査までやるのだろうというのは、俺にも予想出来る。
今の俺にとっては、ホワイトスター以外でそのような検査を受ける訳にはいかないんだが……それも善し悪しといったところか?
そもそも、俺を詳細に検査すれば、恐らく……いや、間違いなく俺が人間ではないという事が露見する筈だ。
技術が遅れている世界でならともかく、ペルソナ世界のように一定以上の技術を持っている世界であれば、俺が人外の存在であるというのは容易に分かってもおかしくはない。
……もっとも、それでも俺が人間ではないというのを理解しても、俺が異世界の人間だというのは分からないだろうが。
この世界だと、シャドウと何らかの関係があるのではないか? と疑われるのが精々といったところか。
そんな風に俺が考えている間にも話は進んでおり、順平も大人しく病院で検査を受ける事になったらしい。
元々順平もそこまで検査を嫌っていた訳じゃないんだし、特におかしくはないが。
ともあれ、そんな感じで話は終わり……タルタロスを出る事になった。
「おい、有里! 有里!」
だが、何故か有里はタルタロスから移動する様子がない。
相変わらず、ボーッとした感じで周囲を見回している。
いや、本当に何をしてるんだ?
そんな疑問を抱くが、それでも何度か呼んでいるうちに、ようやく我に返る。
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