第七章 C.D.の計略
うたわれるもの
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く飛ばされて地面に倒れる。
「奴の肉体は魔化魍と同じなんだ・・・・」
「あれだけデカいと、音撃で倒すしかないね」
「しかし、あれだけの巨大な身体にできるのですか!?」
問題はそこだ。
先日、強鬼がオトロシを打撃の音撃で撃破していたが、あれは正攻法ではない。
その時にも説明したが、やはり敵の全身にまんべんなく音撃を響かせられるのは管の音撃打と言える。
全身に鬼石を打ち込んで、それを一斉に振動させることで相手の身体に音撃を発動するのだ。
ならば、威吹鬼なら倒せるか?
答えは否だ。
威吹鬼がその鬼石の射程距離に近づこうものなら、踏みつぶされて終いだろう。
仮に全身に打ち込まれても、全身を一斉に響かせるには威吹鬼の力が足りない。
感じ取るに、あの黒ウィツァルネミテアの肉体の密度は相当なものだ。
通常の巨大魔化魍とは、音撃の浸透率は倍違うだろう。
ならば、響鬼か?
あれの打撃の音撃は、鬼の中でも最も強い。
しかし、爆ぜるのは肉体の四分の一程度だろう。
音撃打は、強い分その一点からある程度の範囲しか作用しない。
だったら
「俺らみんなでやるしかねぇ」
ドォオン!!と倒れながらも、猛攻を続けて行くハクオロの轟音をBGMに、ショウが彼らの前に降り立った。
その背後には、彼の使役獣三匹が。
「響鬼。最後までやり抜けるとしたら、お前しかいない」
そういって、ショウが渡したのは滅びずに残ったのであろう絶鬼の音撃棒と変身音叉。
それを受け取り、眺め、握りしめる響鬼。
そして迷いなく跳び上がり、ケルベロスの背に立つ。
「やるぞ!!!」
「はい!」
「ああ!!」
その言葉に、威吹鬼がサラマンダーに、トウカが迦楼羅に飛び乗った。
そして宙に立つショウが、指を鳴らして息を吐き出す。
「俺の不始末の後始末・・・みんな、すまない」
「なぁに。だからそれはいいっての」
「とにかく、今は倒しましょう」
ああ、とショウが頷き、そして睨む。
その視線に気づいたのか、黒ウィツァルネミテアがそちらを向いた。
『お前には感謝している。お前のおかげで、私はあの封印から抜け出せたのだからな』
そうだ。
俺が昔、ハクオロごとあいつを引っ張り出したんだ。
そして、その肉体を利用した。
だからアイツは今、こうして蘇ったのだ。
『そして今、私はもはや滅びぬ肉体を得た。貴様らでは私に倒せん。それを理解しろ!!!』
ギィィィイイ、ドンッッ!!!
ハクオロを突き飛ばし、口内に溜めた炎を巨大な炎弾として吐き出した黒ウィツァルネミテア。
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