第七章 C.D.の計略
うたわれるもの
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『貴様・・・まだ意識が生きていたのか・・・・!!』
『某は鬼!!世の悪を絶つとした者である!!』
『・・・そうか。それも大したことのないものなのだな。貴様の中の憎しみは、その程度で薄まるものなのか』
『薄まってはおらぬよ。悪は許さぬ。その思いは、もはや呪いじみて某の中にある。それ故、某は此度このようなことをしでかしたのだ』
『では、薄まってないというのなら。なぜ奴らに加担するようなことを』
背中に回った音撃棒が、絶鬼の音撃鼓に当たる。
それと同時に、響鬼の音撃棒も、胸部に張り付けた火炎鼓に叩き込まれていき
『フハハハハハ!!完全懲悪。某は亡霊よ。過去より積み上げた怨嗟が滅ぼす。主らを滅ぼすのは、人間自身也!』
『これが・・・人の意志だというのか・・・・!!!』
「おぉぉぉおおお!!音撃打ッ!」
カカンッ!!
「激流爆裂」
グ―――ォッ!!
「強打怒涛の型ァッ!!」
ドゴドガダガンッッ!!!
背からの二撃、腹部からの二撃。
腹からのものは言うに及ばず。
背からの音撃も、ただ遠心力で振られたものだというにもかかわらず、それは雄弁に、その技の名に恥じまい威力を叩き出していた。
その上下真反対側から叩き込まれた二つの音撃が、黒ウィツァルネミテアの体内を反響していく。
さらには、撃ち込まれていた鬼石が音撃打に共鳴して全身で強烈に振動し始める。
肘や膝などの間接。
体中に刻まれまだ再生しきっていない切り傷。
そして、顔面の目から音撃の輝きの迸りを放ちながら、ガクガクと全身を振るわせて黒ウィツァルネミテアが崩壊していく。
その様子は、悪たる存在が消え去るには美しい光を発しており、まさしく浄化という言葉が合うものだった。
『グルゥゥゥああああああ!!!まさか・・・まさか、また再びこの私が負けるとはッ』
こうなれば、再び精神を切り離してまた新たな肉体を探すか。
だが、それをつかんで離さない絶鬼がいた。
『貴様放せ!!このままでは、私が消える。私が消えれば、人類は――――』
『言ったであろう某は亡霊。主は怨霊よ!!ならば光と共に浄化され、天に上り行くのが相応というもの!!』
『うぅぅううううう!!そうはァぁああああ、行くか!!!』
ゴ、ォオ!!!
魔化魍としての肉は音撃で消滅し、それを同化していた「分身」の意識もともに消滅しようとしていた。
だが、それを受け入れられない「分身」
一体それが何になるというのか。
断末魔の叫びとともに彼が襲い掛かったのは、すでに音撃を放ち終え着地した響鬼であった。
『ガぉぉぉおおおおおッ!!』
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