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世界をめぐる、銀白の翼
第七章 C.D.の計略
うたわれるもの
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をも三獣ごと縛り上げて拘束してしまう。


ギチリと締め上げるそれは、次第次第に各人の身体から力を奪っていく。


『私の目的を、邪魔はさせない・・・・今度こそだ。今度、こそ!!!』

ギパァ、と
各人を縛り上げる触手。その根元に口が現れ、その中に炎があふれ始めた。

このままでは全員が直撃だ。
だが、あのショウや響鬼の力をもってしても抜け出せないこの触手からはどうしても――――!!



「クソッ!!今からじゃ間に合わねぇ!!」

「うォォォオオオオお!!」

目の前でチャージされていく炎弾を防ごうと、口内に炎を溜めて吐き出すハクオロ。
だが、今度は自分の口が縛り上げられて閉じてしまい、炎が逆流してダメージを負ってしまう。

ここまで攻めて、万事休すか。


その炎弾が放たれる。
覚悟した瞬間、ビクンと黒ウィツァルネミテアの身体が停止した。


「なんだ・・・・?」

『ひ・・きどの・・・・響鬼殿!!!』

「その声・・・絶鬼か!?」


聞こえてきたのは、絶鬼の声。
先ほどからの黒ウィツァルネミテアの声のように、空間が振動して彼の声が聞こえてきたのだ。


『響鬼殿!!一瞬これなる化け物を、某が抑えまする!!その隙に、音撃の一撃を!!!』

「・・・・・わかった!!!」

絶鬼の提案に、少しだけ悩んで、しかし響鬼ははっきりと答えた。
その顔には―――はっきりと、絶鬼に対する信頼が表れていた。


『この世に悪在り!!しかして、某はそう。この世に生きる、悪ではない者たちのために悪を斬った!!!』

シュルリと、響鬼をケルベロスごと縛っていた触手がゆるむ。
それを見逃さず弾き、そこから脱出する響鬼とケルベロス。


地面に着地し、そして跳躍して音撃鼓・爆裂火炎鼓を投げ放った。


同時に、ケルベロスが響鬼とは反対側―――上空に向かって駆けた。
そしてグルンと真下を向き、溜めに溜めた炎弾を三つ首から放つ。


中心の炎弾は、黒ウィツァルネミテアの背中の甲羅に命中。
左右の炎弾は、そのまま左右に逸れていった。


だが、ここからだ。

命中した炎弾には、絶鬼の音撃鼓が仕込まれていた。
それは黒ウィツァルネミテアの背中で展開し、巨大化する。

左右にそれたそれぞれの炎弾には、一本ずつ絶鬼の音撃棒。
ロープで音撃鼓とつながれたそれは、グルンと黒ウィツァルネミテアの身体を回って背中で合流する。


『そう、某は人を守りたかったのだ!!そのために悪を斬ったのだ!!響鬼殿!!この世界を、頼みまする!!某の時代に成し得なかったことを、貴殿の代にて達成してくださりませ。そしてこの願いを、未来永劫!!為し続けてくだされ!!!』

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