第七章 C.D.の計略
出会う絶鬼
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バシュッという音がした。
一点が強く光り、その中で響鬼と絶鬼がそれぞれ強化変身したことを思わせる。
重ねて言うが、二人の姿はススキに隠れて見えはしない。
ただ、二人は己の感性が命じるままに敵を狙っているのだ。
と、ススキの中の影がざわめき、その揺れが大きく回り込んで互いに駆けだすと、お互いに音撃棒を振り上げて同時に叩き付けた。
「「音撃打――――」」
「―――爆裂強打の型ァ!」
「―――水波剛滅の型」
ど、ドゴンッ!!
響鬼の強烈な音撃棒による強打。
右と左の、相互一回ずつの一撃が叩き込まれる。
同時に、絶鬼の水波剛滅も放たれる。
いわば絶鬼版「爆裂強打」だ。とはいえ、どちらが元ということになるとややこしい話ではあるが。
ともあれ、両者の強烈な一撃は、両者の同等の技がぶつかり合うことで相殺された。
静かにざわついていただけのススキ野原に、突如として出現した轟音と衝撃波。
響鬼と絶鬼を中心に15メートルは円形にススキが吹き飛び、ミステリーサークルのような跡になってしまった。
バリバリと、空間でも裂けそうなほどの衝撃波に、撃ち込んだままの姿勢で動けなくなって固まる響鬼と絶鬼。
下手にバランスを崩しては、吹き飛ばされるのは自分だからだ。
だが、そうしてその衝撃波も勢いを無くしていった瞬間。
最初に動いたのは、絶鬼だった。
膝の力を抜いて、がっくりと身体を落とす。
同時に響鬼の足を払い、崩れてくる響鬼に向かって墨を吐き出した。
顔面にへばりつけば、水で洗うなどしても容易には取れないものだ。
まず戦いの中では回復できまい。
だが、響鬼はそれに対して鬼火を放つことで打ち消した。
しかも絶鬼の墨に対し、響鬼の鬼火はわかるように炎だ。
つまり、弾丸である墨に対して、炎のほうは持続力があるというわけで
「グぅッッ!?」
墨を打ち消し、さらにその炎は絶鬼の顔面に届いた。
いきなりのその炎に、苦しそうな声を上げて転がる絶鬼。
だが、彼もそれだけで終わるわけがない。
転がりながら、音撃棒の先端から水を迸らせて水鞭とし、響鬼の腕へと振るったのだ。
ビャウッ!!という凄まじい音がして、響鬼の腕が千切れたかのような痛みに襲われた。
「―――――!!!」
一瞬本当に千切れたのではないかと思うほどの衝撃。
思わず斬られた左肩を抑えたのは、痛みのためというよりは腕が千切れていないかの確認だろう。
大丈夫。腕はある。
だがしかし、結構深く切られたようでそこそこの量の血が流れ出る。
鬼の状態であるならば、それなりに再生することはできる。
無論、それができる相手がどうかというの
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