第七章 C.D.の計略
出会う絶鬼
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どな、ありゃほっておいても出てきたくちだ。それに、俺は一回やっこさんにブチのめされている」
借りを返したい。
つまりはそういうことだ。
ショウは引き分けのような形だったが、ヒビキは完封されていたのだ。
それに、相手は鬼。
ならば、自分が行くのがそれ相応というものだ。
「仕方ねぇな」
「ありがとさん。今度たちばなで何かおごるよ」
「・・・・甘いのは苦手だ」
それだけ言って、四人がぐるりと回って響鬼の正面に絶鬼を据える。
「オレ達はこの雑魚を屠る」
「腕が鳴りまする。聖上、ご無理をなさらぬよう!!」
「そうも言っていられる状況でもないがな」
西洋剣と、刀と、鉄扇を構えて打ち合わせる三人。
とはいっても、打ち合わせというほどの話し合いでもなかったが。
ザフッ、とススキの中に絶鬼が降りた。
そしてその中を掻き分けて、段々と加速してくる絶鬼に向かって響鬼が地を蹴った瞬間
「散!!」
ダッ!!と、ほかの三人も駆けだした。
敵は魑魅魍魎。
状況は悪霊跋扈。
しかし、その相手ならいくらでもしてきた。
「響鬼殿は大丈夫でしょうか!?」
「彼も最強の鬼だ。彼ならば、きっと」
「・・・・どちらが勝つにしろ、わかっていることは一つ」
両者ともに、大ベテラン。
熟練の技術を持った最強級の鬼。
ならば、そう手数の多い戦いにはならないはず。
戦いは短くなるだろう。
この戦いの要は、鬼の戦いに集約される。
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ガッ、ギぃ!!と、紫と濃群青の線がススキの中を駆け巡り、火花を散らして交錯する。
打ち合わされる音撃棒は、本来打ちだす厳かな音とは違い、重々しい剣戟に近い音を鳴らしていた。
「たァ!!」
「ハッ!!」
ドバシャァ!!と、お互いが放つ炎弾と水弾がぶつかり合って弾け飛ぶ。
さすがは両者とも、自然の中に発生する怪物を相手にしていることだけあって、その姿は完全にススキのなかに隠れている。
更に、その中を駆ける姿も獣のそれに近い。
おそらく戦場が森ならば、完全に姿を消していることだろう。
だが、二人はお互いに鬼である。
研ぎ澄まされた感覚は、なんとなくではあるが相手の位置を把握している。
打つ
捌く
流す
放つ
まるで蛇が張って動くかのように揺れるススキの中で、それらの行為が立て続けに行われた。
「響鬼、紅」
「絶鬼、蒼」
すると、そのススキのなかでボッという音と
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