第七章 C.D.の計略
出会う絶鬼
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もない犯罪を企てることもある。
だが、それを理性で押さえ生きていけるのが人間だ。
それを止められなかったそんな人間に、負けてなるものかと立ち向かえるのが人間だ。
この男は、その改善すら待てぬという。
人が、わずかなりとも悪意を孕んでいるというのなら、そのほんのわずかなものが魔化魍となる。一片の欠片ほどの可能性だとしても、もはやそれは捨て置けぬということだ。
「まて!!お前はイブキという男と友だったはず。その男と共に過ごし、世界は滅するほどではないと思ったのではないか!?」
「イブキ・・・だと?」
そうだ。ショウの言う話では、この絶鬼という男はそれで丸くなったというのではないか。
だが話しておきながらなんだが、ショウ自身もよくその内容は把握していない。
何せ「奴」の時だったということもあるし、それに世界の情報を得てもせいぜいが「大半」である。つまり、得られない部分も存在するということ。
「お前はその、イブキとの約束も破る気か!!」
約束、というのはいわばハッタリだ。
だが、彼の生きていた時代性から考えて、そういった誓いの類は必ず交わしているはず。
そして、その見込みは当たっていた。
当たっていたが
「確かに、人は斬らぬと。某は懺悔し、イブキと杯を交わし誓った―――――」
「ならば」
「だが!!先に某を裏切ったのは奴である!!それをもって某は理解したのだ!!人は、どれほどの善であろうとも、容易に悪へと転がり落ちると!!」
キィ―――――ン・・・・・
「人は救いきれぬ・・・・悪は断じて許されぬ!!」
バシャバシャバシャバシャァ
「バァッ!!」
ドドンッ!!
「某は絶鬼。魔を、悪を、人の世を絶する鬼である!!」
絶鬼、変身。
それにこたえるように、ヒビキも前に進みながら指で音叉を弾く。
「でもそれだと、あんたも悪だけどなぁ」
「然り。故に世を浄化したのちに、某はこの命を絶する。それをもって、人の世の根絶と為す!!」
「そうか・・・じゃあもうこれ以上話すことはないな」
ボォッ!とヒビキの身体が炎に包まれる。
そしてその紫の炎をかき分け、当代において最強の鬼が顕現した。
「ハァっ!!」
ドドン!!
「さぁて、頑張っちゃおうかな!」
そして、気の抜けた掛け声。
それに合わせて、ズァズァズァ、と地面から魔化魍が、生えてくるように出現してきた。
周囲を囲まれる一同。
剣や武器を各々構え、背を預け合って中心に寄る。
「響鬼」
「おっと、あの絶鬼は俺に任せてもらうぜ?」
「・・・・・だが」
「あんたの責任だっていうんだろ?だけ
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