第七章 C.D.の計略
打ち合う強者
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トゥスクル市街地に現れた絶鬼
「浄化」を始めようとする絶鬼に対し、オボロと強鬼が立ち向かうも敗北。
知らせを聞いてハクオロとヒビキが現場に到着すると、そこにいたのは「EARTH」副局長、蒔風ショウだった。
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「鬼のくせに破壊活動とはな。なかなか伝承通りの「鬼」だな、あんた」
剣と音撃棒が交差し、そのまま睨み合う両者。
その光景を目の当たりにしながら、ヒビキもハクオロも前に出れない。
もしこの状況を崩せば、この二人の戦いが始まるような気がしたのだ。
そしてそうなれば
「俺とあんたが闘えば、この町は無事じゃすまないだろうな」
「某はそれでも構わぬ。もとより撃滅させる所存故に」
空気がピリピリと緊張を帯びていく。
ここの町民は表に出ていないだけで、すぐそこの家の中にいるのだ。
もし戦いとなったら、家屋が吹き飛びその人たちも無事ではすむまい。
「なあ絶鬼さんよ。あんたこのまま戦って勝てると?」
「某には世を浄化する大義がある。自らの身の上などどうでもよい」
今回は引かない?と提案するショウに、絶鬼は即答で返事をする。
こいつはヤバいかもな・・・
と、ショウの頬を冷汗が垂れる。
勝つとなればそう難しい相手ではないが、この街を守りながらとなると厳しい。
ショウは自分の戦い方を十分に理解している。
おおよそ、仲間を守りながら、というには向かない戦いだ。どうしたって周囲に被害が出る。これほどの相手なら、なおさらだ。
ならば、選択肢は一つ。
思い切り攻撃して吹き飛ばすか
「いいぜ。相手してやる」
少しだけ相手をして、相手に諦めてもらうかだ。
ガンッ!!と、ショウの剣が音撃棒を弾く。
その瞬間に絶鬼は軽くステップを振んで下がり、ショウは突き出しながら突進していった。
それを絶鬼は首の皮一枚で回避し、水鞭を走らせてショウを打った。
バチィ!と打たれたショウの左肩。
斬れはしなかったものの、服と肉が少しだけ抉れた。
だが、それ以上の追撃はなかった。
ショウはその痛みに顔をしかめるでもなく、その水鞭を掴み取って捕えたのだ。
まずい、と絶鬼が水鞭を解いて水にする頃には、もう遅かった。
ショウはすでに水鞭を引き、絶鬼の身体ごと自らに引き寄せていたのだ。
一度引かれては、いくら水を解こうとも身体は前に出る。
その腹部に向かって思い切り剣を薙ぐショウ。
だが相手も侍だ。その剣を音撃棒で弾き落とし、難なく攻撃を防いだ。
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