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世界をめぐる、銀白の翼
第七章 C.D.の計略
猛撃する絶鬼
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はこれで。一応衛星通信の携帯を渡しておきます」

「あー、京介、頼むな」

「じゃあ、俺があずかります」

機械音痴の響鬼には扱いきれないとして、その通信機は京介があずかる。

調査班はあくまでも調査班だ。
これ以上彼らがここに残っていても、戦力になることもないので今日はこれで撤収することとなった。



そのワゴン車が帰っていき、そしてそれと入れ違いで一頭のウォプタルが、村の敷地に入ってきた。
小型恐竜の姿をした、この地域において馬とされるそれに跨ってきたのは、肩当などの鎧を付けた武人だった。


その彼が響鬼の前までやってきてウォプタルから降り、一礼してから挨拶をかわす。


「どうも。俺はトゥスクルのラクシャライ副長のクロウってもんだ」

「え・・・はい?」

「ラク・・・?」

「あぁ、そっちだと騎兵隊とか騎兵衆の意味だ」

「はぁ・・・で、そんなお偉いさんがなにか?」

偉いって程のもんじゃないんだけどな、と頭を掻き、苦笑しながら本題に入る。



「うちの大将が呼んでるんで、ちょいと宮殿のほうに来てくれないですかね?」

「大将・・・?」

「ってことは、ハクオロ青年か?」

「ちょ、ヒビキさん」

年下のハクオロを、ついついそんな呼び方をしてしまうヒビキに、京介が注意する。
「EARTH」で会うときはともかくとして、ここでは彼は皇なのだから。

だがクロウはアッハッハと笑って構いませんよ、とこちらの関係を汲んでくれる。



「お二人が蒔風がらみでお知り合いなのは知ってますんで。足はありますかね?」

「一応バイクがある」

「んじゃそれで。もう時間も遅いので、明日出ることにしましょう」

「わかったよ」


そうして、三人はとりあえず食事につくことにする。


クロウも事情を知っているのか、それとも単に夜間行進は危険だと判断しただけなのか、明日を待って出発することになった。




そうして、三人は宮殿へと向かうこととなった。




この自然豊かなトゥスクルが、今回の戦場となるのだろうか。






to be continued

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