第七章 C.D.の計略
猛撃する絶鬼
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た。
「音撃打」
カッッ!!
「剛撃一破の型」
ゴ――――ドンッッ!!!
振り抜かれた音撃棒。
まるで、野球のバッターかのような豪快にフルスイングされた音撃は、強鬼の胸に音撃鼓のエネルギーを張り付けさせながらその身体を遠くへと吹き飛ばした。
闇の中に消える強鬼。
悲鳴も嘔吐音も何も上げることができず、肺の中の空気と一緒に頭の中から意識が追い出される。
そして消えた闇の中でドン!と、木に当たった音がしてからそれが揺れてざわざわと葉の擦れる音がした。
だが、響鬼にそれを聞いている余裕はない。
というよりも、強鬼の身体がそこまで吹き飛ぶより先に、響鬼にもまた攻撃が放たれていたのだ。
「強鬼!!」
吹き飛ばされる弟子。
それを咄嗟に目で追ってしまった響鬼は、自分の胸に音撃鼓がセットされてしまっていたことに気付く。
「しまっ・・・・」
そこで、響鬼は見た。
この暗がりの中でわかりにくかったが、絶鬼の肌の色が変わっている。
まるで黒と遜色の付かないほどの群青だったにもかかわらず、その肌の色は光に照らせば透き通るかもしれないと思うほど、きれいな蒼に染まっていたのだ。
(紅と同じか・・・・!?)
なるほど。
強鬼の胸に音撃鼓が当てられていなかったにもかかわらず、音撃打が発動していたのはこのためか―――!!
だが、だとすれば。
通常攻撃ですら音撃となるというのに、その上で音撃鼓を当てられているこの状況はまずいのでは
「音撃打」
カカンッ
「激!!」
ドドンッ!!
「カッ・・・はっ」
強烈な二撃。
まるで、響鬼の爆裂強打のような音撃だ。
その攻撃に響鬼の身体が浮き、五メートルほど飛んでいく。
だが、絶鬼はそれを追っていき、その勢いを加えてさらに一撃を
「流!!!」
ドドォン!!!
そして、再び追って
「怒!!」
ドドゥッッ!!
「涛ォッ!!」
ドガバンッ!!
「ぐ・・・ぇ・・・・ヵ・・・」
音撃打・激流怒涛
説明は先のとおりである。
強烈な一撃を全身全霊で叩き込み、吹き飛ぶ敵を追ってさらに追撃。
そうすることで、計四度(左右合わせて八回)の強力な音撃をぶち込む技である。
吹き飛んだ響鬼は強鬼以上に飛距離を伸ばして、河原の、まるで地面から生えているかのような巨岩に突っ込んでいった。
バラバラにそれを砕いて止まり、地面に倒れて気を失うと同時に変身が解除される響鬼。
だが、それを確認しに来るものはいなかった。
絶鬼は、そのまま姿を消した。
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