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世界をめぐる、銀白の翼
第七章 C.D.の計略
猛撃する絶鬼
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キに経験があるわけもない。

(でも泣き言言ってもしょうがないし、人と戦うのなら一応経験あるしね!!)



そうして前向きに考え、迫る絶鬼を迎撃せんとする響鬼。
しかし、恐るべきは絶鬼の技術だ。

一刀流と二刀流を、どちらが上かと問うことはあまり意味はないが、それでも絶鬼は一本の音撃棒の攻撃で、響鬼の二本を完全に後手に回させていた。


(こっちは左右あるってのに、一本の攻撃を防ぐのに精一杯とはねっ!!)

ガンガンガンガン!!と打ち付けあう音撃棒。
響鬼も時折反撃するものの、それが通るためしはない。

それどころか、段々押されてしまいその隙すらなくなりつつあった。


と、そこに飛来してくる烈火弾。
強鬼の放った炎弾が、絶鬼の肩に命中したのだ。

だが、それは絶鬼の皮膚に触れた瞬間ショボッ!と消えてしまった。
皮膚に覆われた水の膜が、強鬼の炎弾を消火してしまったのだ。


「ハァっ!!」

だが、それでも強鬼の炎弾は止まらない。
それどころか、強鬼は接近して響鬼に加勢しようと攻撃を仕掛けた。


「ムッ!!」

「ぜぁっ!!」

ガキィ!!

「貴殿も鬼か。この者の弟子と見たが!!」

ドカァッ!!!と、強鬼の振り降ろしをもう一本の音撃棒を取り出して受け止めた絶鬼が、強鬼の腹に見事な足刀蹴りを命中させて宙に浮かす。


その瞬間、響鬼は口内より炎を吐き出し、絶鬼の顔面に攻撃を加えた。
ゴォッ!!と絶鬼の頭が炎に包まれ、更に上半身をも包み込む。

効くとは到底思ってはいないが、相手の視界を防いでいるこの隙に、音撃鼓をセットすればいい。


そう思っていたのは響鬼だけではなく、強鬼も同じであった。

蹴られて吹き飛んだとはいえ、その距離は二メートルほど。
痛みに身体が軋むが、即座に立ち上がり音撃鼓のセットは可能――――!!


「ハァっ!!」

響鬼がベルトから音撃鼓を外したのと同時に、先に強鬼の音撃鼓が絶鬼の左腰にセットされた。
オォン―――!!と勇ましい音とともに、音撃鼓が肥大化して強鬼の体を強張らせる。


そして、そこに「爆裂強打」をぶち当てようと、軽くステップしながら踏み込んだ強鬼。
大きく振りかぶり、強力な二連打を入れようとして、強鬼の間合いに入った。



「ぬ、ォあっ破ァ!!」

しかし、絶鬼はその状況を覆した。
窮地を脱しようとしたような、そんな気合の入れ方ではない。

「少しばかし本気を出そうかな」
その程度の大きな掛け声とともに振られた腕は、響鬼の炎を掻き消して無効とする。


そして、再び一本だけ握られた音撃棒を両手でつかみ、ぞの全身から水流を迸らせて強鬼の胸に向かって一撃を振るい当て
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