第七章 C.D.の計略
揺蕩う鬼
[4/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
なって消えてしまった。
「ヒビキさん!!」
「っとぉ、こりゃぁちょっとヤバいかもねぇ」
バケネコは、一応この場にいたのはすべて撃破した。
だが問題はウブメだ。
魚の見た目の通り、こいつは水辺で成長する魔化魍だ。
そして羽根は飾りではなく、見て分かるように飛んでいる。
このような魔化魍に対して、打撃の鬼は些か不利である。
打撃の鬼は、接近戦を主とする。
無論、遠距離攻撃技を持たないわけではないが、ウブメ相手に当てられるかどうかと問われると難しいところだ。下手に外して、山火事にもしたくはない。
こういう場合は、遠距離を主とする管の鬼が受け持つ相手だ。
となると、ここはいったん引き村の護衛に専念。
改めて管の鬼である者に任務を依頼しなおすしかない。
だがそうするとしても、また一つ問題が。
「うぉっ!!」
「このォッ!!」
木々を縫って飛来し、ヒビキ、強鬼へと噛みつこうと襲い掛かるウブメから、無事に引けるかどうかである。
このまま村まで駆けることは可能だろうが、それではこいつの「餌場」までの道案内になってしまう。
響鬼はすでに紅を解き通常状態に戻っていた。
ウブメは倒さねばならないかもしれない。
若しくは、どちらか一人がウブメを引き付け、もう一人が村の警護に当たる。
だがどちらにどちらが就くとしても、どちらも疲弊を極めることになる。
そうなったとき、自分たちは守り切れるのかといわれると――――
「京介!!倒すぞ!!」
「わかってますよ!!」
やはりこれしかない。
ウブメを倒す。
方法は一つ。
あいつの攻撃は基本ヒット&アウェイ。
突っ込んできて噛みつき、そのまま走り去る戦法だ。
取り付くのは無理だ。
オトロシとは違う。振り落される。
組み合う事ができる相手でもない。
ならば、すれ違いざまに音撃を叩き込むまで―――――
ウブメが来る。
強鬼、響鬼ともに地面に倒れこむようにしてその牙を回避する。
そして即座に立ち上がり、その腹に向かって音撃鼓をセットしようと腕を振り上げ
「京介ェ!!」
「な、うぁッ!!!」
位置が悪かった、というほかない。
ウブメが通過したのは、強鬼、響鬼の順。
即ち、回避から立ち上がりは強鬼のほうが早くそして、牙が通過していった後に唸る尾に叩き付けられたのも、強鬼であった。
「ガはっ!!」
「ぐうっ!!」
バチィっ!!と弾かれた強鬼の身体は、響鬼のほうへと吹っ飛んでいき、彼の身体ごと地面に倒し込んだ。
何とか転がり、響鬼の上から退く強鬼だが彼はすぐには動けない。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ