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世界をめぐる、銀白の翼
第七章 C.D.の計略
揺蕩う鬼
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なって消えてしまった。


「ヒビキさん!!」

「っとぉ、こりゃぁちょっとヤバいかもねぇ」

バケネコは、一応この場にいたのはすべて撃破した。
だが問題はウブメだ。

魚の見た目の通り、こいつは水辺で成長する魔化魍だ。
そして羽根は飾りではなく、見て分かるように飛んでいる。



このような魔化魍に対して、打撃の鬼は些か不利である。

打撃の鬼は、接近戦を主とする。
無論、遠距離攻撃技を持たないわけではないが、ウブメ相手に当てられるかどうかと問われると難しいところだ。下手に外して、山火事にもしたくはない。


こういう場合は、遠距離を主とする管の鬼が受け持つ相手だ。

となると、ここはいったん引き村の護衛に専念。
改めて管の鬼である者に任務を依頼しなおすしかない。



だがそうするとしても、また一つ問題が。


「うぉっ!!」

「このォッ!!」

木々を縫って飛来し、ヒビキ、強鬼へと噛みつこうと襲い掛かるウブメから、無事に引けるかどうかである。
このまま村まで駆けることは可能だろうが、それではこいつの「餌場」までの道案内になってしまう。


響鬼はすでに紅を解き通常状態に戻っていた。

ウブメは倒さねばならないかもしれない。
若しくは、どちらか一人がウブメを引き付け、もう一人が村の警護に当たる。

だがどちらにどちらが就くとしても、どちらも疲弊を極めることになる。
そうなったとき、自分たちは守り切れるのかといわれると――――



「京介!!倒すぞ!!」

「わかってますよ!!」

やはりこれしかない。
ウブメを倒す。

方法は一つ。
あいつの攻撃は基本ヒット&アウェイ。

突っ込んできて噛みつき、そのまま走り去る戦法だ。

取り付くのは無理だ。
オトロシとは違う。振り落される。

組み合う事ができる相手でもない。

ならば、すれ違いざまに音撃を叩き込むまで―――――




ウブメが来る。
強鬼、響鬼ともに地面に倒れこむようにしてその牙を回避する。

そして即座に立ち上がり、その腹に向かって音撃鼓をセットしようと腕を振り上げ


「京介ェ!!」

「な、うぁッ!!!」


位置が悪かった、というほかない。

ウブメが通過したのは、強鬼、響鬼の順。
即ち、回避から立ち上がりは強鬼のほうが早くそして、牙が通過していった後に唸る尾に叩き付けられたのも、強鬼であった。


「ガはっ!!」

「ぐうっ!!」

バチィっ!!と弾かれた強鬼の身体は、響鬼のほうへと吹っ飛んでいき、彼の身体ごと地面に倒し込んだ。


何とか転がり、響鬼の上から退く強鬼だが彼はすぐには動けない。

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