第七章 C.D.の計略
消える魔化魍
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化魍に音撃を叩き込むのは至難の業。
本来ならば、全身に同時に音撃を送り込める「菅」の武器を持つ威吹鬼などの鬼が担当するところなのだが、これも修行と言って響鬼が対処することになった次第だ。
現在、オトロシの上でその振動にまともに跨っていられない変身した京介がおり、並走する道路をバイクで追いかける生身のヒビキ、という構図だ。
これまで長くヒビキのもとで鬼の修業をこなし、そして無事に鬼と認められ「強鬼」というコードネームももらった京介だが、それでもまだまだ新米の鬼。
本人の強がりな性格もあってヒビキからは早く卒業したがるが、実際には未だこの通りである。
「くそォ、あの人俺にできないと思ってんなぁ・・・・これでも、夏の大量派生した河童は俺のほうがスコアは上なんだ!!やって見せる!!」
イヨォ、ヨォーーー!!!
「ハッ!!!」
オトロシの背にまだがる強鬼。
バランスをとるのにいっぱいいっぱいで、音撃を叩き込むこともままならなかったものの、今度こそ音撃鼓・火炎鼓をセットすることができた。
そして音撃棒・猛火を取出し、次々に音撃を叩き込んでいく。
「音撃打・猛火怒涛の型!!!」
一撃一撃を強く、そしてテンポ良く刻んでいく音撃。
それにより一撃ごとにより奥に、より奥にと音撃は浸透し、ついにオトロシの全身へと響いた。
ズズゥ・・・と勢いが死んでいき、そして完全に止まったところで、大量の木の葉と土くれとなってオトロシは木端微塵に吹き飛んでいった。
「った!!ふぅ・・・!!」
スタッ、とそこで飛び降り、道路に難なく着地する強鬼。
首だけ変身を解き、ヒビキから変えの私服を手渡された。
「どうですか、ヒビキさん!!」
「んー、まだちょっと危ういかな。でも、一人であれを倒せたなら十分じゃない?」
「っしゃ!!」
ゴソゴソと着替えながら、ガッツポーズをとる京介。
と、そこでふと気が付いた。
ヒビキのバイク・凱火に積んである、着替えの量がいつもより多い。
「あの・・・それは?」
「ん?ああ、このまま次の魔化魍も行くから!!」
「えぇ!?」
響鬼たち鬼のライダーの欠点の一つ。
それは、変身するたびに身に着けていた衣服が吹き飛んでしまうことである。
ある者は炎で焼けてしまい、ある者は雷に切り裂かれ、ある者は疾風で吹き飛ぶ。
結果、もしうっかり全身変身解除なんてことをしてしまうと、全裸で外に出ていることになってしまうのだ。
基本的に魔化魍が出現するのはこうした人里離れた山の中だったりすることが多いので、大勢にみられることはないがそれでも気になるものは気になる。
故に、鬼に変身できるようになった者は、
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