第七章 C.D.の計略
消える魔化魍
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。だが見過ごすわけにはいかないしな」
「そうですか・・・・確かにそれだけのことがあれば、俺のほうには顔を出せないかもしれませんね・・・・」
「いや、それもそうかもしれないんだけど、さ」
映司と会話しているうちに、蒔風が額に手を当てて椅子にもたれかかる。
熱はない。身体も健康だ。
しかし、どうにも何か体調がおかしくなる時がある。
「悪い、映司。今日はこれくらいにしとく」
「あ、はい。顔色悪いですよ?大丈夫です?」
「ん・・・・ちょっと休養するわ・・・・身体ダルイ・・・・」
そういって局長室を出て、自室へと帰っていってしまう蒔風。
何かが起こっている。
そんな気がする。
自分のは、ただの発端に過ぎないのかもしれない。
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この世界には、悪意が満ちている。
悪意とは、人の持つ敵意だけではない。
妬みや怒り、悲しみや恨みといった、いわば「黒い感情」といったものも含まれる。
そして、それはこの世界に人間が存在する以上は決して消し去ることのできないものだ。
そしてそれらを吸い上げ、誕生し、人を食らい成長する、そんな化け物たちがこの世界には存在する。
魔化魍
一時期、意図的に繁殖させられていた魔化魍だったが、それを促していた男女、通称「洋館の男・女」たち。
彼らの姿はある時期を境にぱったりと鳴りを潜め、今ではごく自然に(というのもおかしな話だが)発生する魔化魍のみとなっていた。
そうして、今日も魔化魍を滅するべく、鬼・響鬼は山々を駆け巡る。
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「京介!!どんどん叩き込まないと、音撃は一発だけじゃ意味ないぞォ!!」
「って言ったって!!こいつ揺れるから中々・・・うわっ!?」
「っとぉ!!危ないな。だが今のはいいバランスだ。その調子で重心をしっかりどっしり!!そうすりゃいくら打ったってよろけねーから!!」
「あぁもう・・・相変わらず実戦形式すぎるよあの人は!!!」
ドドドドン!!と、奥深い山の中から、二人の男との声がしていた。
あまりにも深く、そして何より立ち入り規制がされているため、この声を聴く人間はいない。
とはいえ、人がいても聞こえたかどうか。
今この場を支配している音といえば、大地を駆ける重量級の巨大魔化魍・オトロシの地鳴りと雄叫びだからだ。
この小山ほどの大きさもある魔
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