第七章 C.D.の計略
奪われたセルメダルと突進と目的
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「伊達さん!!後藤さんは!?」
「おう、火野。ってかお前よく動き回れんのな」
「前の時の伊達さんたちと同じですよ」
「ん?」
「痛み止めです」
「戻れ」
「ぎゃぁ!!!」
夜
日もとっぷりと沈んだ時間に映司は病室で目を覚まし、後藤の入っている集中治療室の前に駆け込んできていた。
あの時のトーチの突進攻撃は、スキャニングチャージに匹敵するモノだった。
つまりは必殺技である。
伊達は肩の装甲が弾け飛んでいたが、身体が回転していったことで衝撃が逃れたのか、骨が砕けただけ(それでも大怪我である)で済んだ。
アンクはわずかに残っていた他の倉庫のセルメダルで回復。
映司も、一度グリードになっていた肉体は強靭らしく、全身包帯でぐるぐる巻きだが松葉杖をついてえっちらおっちら動けるだけにはなっている。
だが、後藤はトーチの攻撃を真正面から受けてしまっていた。
力の逃げ場はなく、見事に腹に穴をあけられてしまったのだ。
映司が意識を取り戻すまでの時間、実に5時間近くにわたる大手術の末に、ようやく命を取り留めた形だ。
片腕を負傷しているとはいえ、そばに医者の伊達がいて、その彼の応急処置があったことも、生存の大きな一員であっただろうと、担当医は言っていた。
「んで。どうすんのよ火野。あいつ」
腕を組み、自販機コーナーに座り込んで話を切り出す伊達。
なぜかラインナップにならんでいたおでん缶をアンクに開けてもらい、メダルタンクの底に残っていたセルメダル2枚を報酬で受け渡す。
「アンク。お前手伝い一回10円の子供みたいだぞ」
「うるせぇ!今はこの程度でも必要なんだよ!」
「んで?どうするつもりだ」
「・・・・俺は、あいつを倒さないといけません」
「そっか。下手に悩んじゃいねーみたいだな」
「ええ。あの時は好き放題言われましたけど・・・・」
「頭ン中ドロドロで答えようにも答えらんなかっただろ、ありゃ」
「ははは。はい、そうですね」
そういって、フゥと溜息をもらす映司。
ただ問題なのは、あの相手に勝てるかどうか、ということだ。
「フン!こっちは本家本元のオーズだぞ。あんなぽっと出のガキに、やられてたまるか!!」
「ん?アンク、なんか勝算あるの?」
「最初は大したヤロウと思ってたがな・・・・ありゃあダメだ。グリードとしちゃ、落第点だな」
アンクが、映司や後藤に向けるような半笑いをするが、その微妙な差はよく伝わった。
こいつは口は悪いが、そういうところは素直な奴だ。
「自分の欲望が何のためにあるかもわかってないんじゃヤミーにも劣る。
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