第七章 C.D.の計略
奪われたセルメダルと突進と目的
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的王者。それこそがオーズではなかったのか?」
王's
そう、それがオーズの語源だ。
無限大(∞)にもう一つ円を加え、それを超えた者ともされる。
それを、トーチは笑う。
王にはまるで似つかわしくない。何ともみすぼらしい姿だと。
「王とは全てを総べる者。総ての頂点に君臨するもの。ただ一つのみの玉座を掴み取り、足元に這い寄ってくる他者を押しのけてそこに坐するもの。それこそが王だ!!」
「貴様とてそうだろう。様々な望みを抱えるグリード、若しくは人間から、そのメダルを奪い、得て、その力を手にした。自分自身の欲望を叶えるために!!」
「そのために総てを押しのけた。グリードからメダルを奪い、人間から渇望を引き裂き!!違うか?」
確かに、それは一理ある。
グリードは皆、なにかを欲していた。
あるものは力を
あるものは栄華を
あるものは愛情を
あるものは温もりを
あるものは命を
そしてある人間は、終焉を
「それらから貴様は奪い取ったのだ。それが善しであれ悪しであれ、そのものから貴様は光を奪い、踏み砕いた」
違う。
おそらく外にいる伊達も後藤も、そしてアンクまでもが、そう叫びたかったに違いない。
だが、映司はそうするだけの気力もない。
声は頭に届くが、その答えを導き出すだけの力が、脳みそにはなかった。
「グ・・・ォオ・・・・!!」
軋み、痛む身体を引っ張るように動かす映司。
メダジャリバーを振り上げ、トーチに切りかかる。
ガスッ
「・・・なるほど。確かに勝ち進んだだけのことはあり、王の器では一応あるようだな。だがな、それだけだ。王ではあっても、貴様は総べる器にはない!!」
パシッ、ドンッ!
肩に当てられたメダジャリバーを掴み、映司を押しのけるトーチ。
そう、彼のメダジャリバーの振り下ろしは、もはや攻撃といえるほどの威力を有していなかった。
そして、押しのけたそれをそのまま掴み、半笑いのように言い放つ。
「まあ、散々言ったが俺はお前のその手法を悪いというつもりはない。ただ、だから俺が同じようなことをして貴様から奪おうとも、貴様には文句のつけようもあるまい?というわけでな」
つまるところこいつが言いたいのは「俺もお前も奪う者、奪われる者。そして俺が勝者で、お前は弱者。恨むのはお門違いだからな」ということだ。
途中の、まるで映司の人となりを糾弾するような物言いは、この結論を気持ちよく言うための装飾に過ぎない。
掴んだメダジャリバーを軽くゆすると、それだけで映司が地面に倒れた。
手にしたメダジャリバーを眺めるトーチ。
これはいいな、と軽く振るトーチが、試し切りするか、とでも言わ
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