ターン84 科学水龍と大地の龍脈
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備が無理やりとはいえ外されたことで、ダウンしていた攻守が元の数値に戻る。三沢はこんな時でも冷静に分析しているからあまり悲壮感はないけれど、このターン生き残れたのは本当に辛うじてなレベルのはずだ。今回は何とか三沢のターンに繋がるけれど、場のモンスターが全滅してしまった以上次はないと見ていいだろう。となると三沢の言うコマとやらが揃うかどうかは、次のドローただ1枚にかかっている。
「俺のターン、ドロー!」
かたずをのんで見守る中、三沢がその運命のカードを引き抜く。真剣な表情のままそのカードに目をやり……そして、その口元が勝利の確信に綻んだ。
「このデュエルはここで終わりだ、ミスターT!トラップ発動、ボンディング−DHO!このカードは発動時に俺の手札または墓地のD、H、Oを1体ずつデッキに戻し、手札または墓地からこのモンスターを結合召喚する!」
三沢 LP1100→600
従来のボンディングとは異なる原子配列により、新たなる化学式が構築される。結合により生み出されたそれは、古龍らしく水の髭が生えていたり目つきがより鋭くなっていたりするなどの細かい点を除けば、一見普通のウォーター・ドラゴンとほとんど変わりがないように見えた……だが、違う。その迸る水龍の体の隣に、さらにもう1本同じ水龍の首が持ち上がる。双頭のウォーター・ドラゴンが、2つの口で同時に吠えた。
「水を超えし重水の龍!ウォーター・ドラゴン………クラスター!」
ウォーター・ドラゴン−クラスター 攻2800
「だがその攻撃力は、私のオッドアイズと同じ。引き分けといいたいところだろうが、あいにくオッドアイズにはリボーンリボンが装備されていることを忘れたのか?」
「忘れちゃいないさ。そしてこの瞬間、俺の理論が完成する。オッドアイズ・グラビティ・ドラゴンの効果でさらに500ライフポイントを支払い、この新たなるウォーター・ドラゴンの効果を発動!特殊召喚成功時、相手フィールドに存在する効果モンスター全ての効果をターン終了時まで無効にし、その間その攻撃力も0にする!」
「何!?」
クラスターの全身から溢れ出る藍色のオーラが、二色の眼を持つ重力の龍を包み込む。抵抗虚しくその全身から力が抜けていき、小山のような存在感の龍がその場に力なく横たわった。
三沢 LP600→100
オッドアイズ・グラビティ・ドラゴン 攻2800→0
「いくらリボーンリボンにより蘇生ができようと、先にプレイヤーのライフが尽きてしまえばその効果には何の意味もない。バトルだ!ウォーター・ドラゴン−クラスターでオッドアイズ・グラビティ・ドラゴンに攻撃、オキシダン・パニッシャー!」
「ぬ……ぬおぉーっ!」
ウォ
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