ターン84 科学水龍と大地の龍脈
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ることはまずないか。要するに、本当に最後のお祭りイベント的な意味合いなのだろう。
「そしてこの卒業デュエル期間中に皆さんの溜めた点数は、そのままデュエルアカデミアの最終成績になりますーノ!」
「主席となった生徒にはかのキング・オブ・デュエリスト、武藤遊戯のレプリカデッキをインダストリアル・イリュージョン社から贈呈されるという。繰り返すが、君達には悔いの残らないよう、全力でデュエルに取り組んでほしい」
話を再び引き取った鮫島校長の言葉を最後に、ついに卒業デュエルが始まった。レプリカデッキ……昔、神楽坂が持ち出してちょっとした騒ぎになったアレのことだろう。あの事件ももう2年前か、早いもんだと思いながらチラリと振り返る。案の定あの時のことを思い出していたらしく若干きまり悪そうな神楽坂と目が合って、その様子が何ともおかしくてついつい笑ってしまった。
その横では翔や万丈目、明日香に最近ようやく復活した吹雪さんがそれぞれ楽しそうに言葉を交わし、それぞれバラバラの方向へと歩きだす。お互いに長い付き合いでその手の内も強さも知り尽くしているからこそ、直接の対決は後に回そうということだろう。それについては、僕も同感だ。ぐっと背伸びをして、レッド寮に向けてふらりと足を向ける。新入生も入ってこなくなり来年からは事実上の廃寮となる僕らの家に、せめて最後にもう1回だけでも人を集めたい……なんて、ちょっとメルヘン過ぎるだろうか。
そして、今だ。どうやら、僕の思考パターンというのは僕が思っている以上に読みやすかったらしい。
『え、それ今更言うのかマスター』
「素でツッコむのやめてチャクチャルさん」
レッド寮にたどり着いた僕を待っていたのは、わらわらと集まっていた後輩たちだった。僕と、それから十代は確実にここにいるはずだと、卒業デュエルのルールが発表されるや否やわざわざ真っ直ぐここまで来たらしい。そこまでしてくれたんなら、僕も少しは先輩らしいところを見せるとしよう……と思ってつい張り切っちゃったけど、さすがに初っ端からのワンショットキルはやり過ぎだったろうか。いや、でもなあ、せっかくキルできるのに見逃すのもちょっと……。
あーだこーだと悩みながらさっきのデュエルで墓地に行ったカードを引き出そうとして、ふと気が付いた。デュエルディスクのエネルギー残量が、もうほぼ0に近い。このデュエルディスクとも覇王の世界からの付き合いだけど、つくづく実感したことが1つある。
……三沢本人も釘を刺してたけどこの水妖式デュエルディスク、本当に燃費が悪い。腕輪状態からの展開、さらにデュエル中の処理までを水のエネルギーだけで賄おうというんだから当然といえば当然なんだろうけど。
「ごめん皆、いったん部屋に戻っていい?すぐ戻るから」
誰も止
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