ターン84 科学水龍と大地の龍脈
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「俺はこのメイン2にハードアームドラゴンとメタルデビル・トークンをリリースして、絶対服従魔人を召喚!これでこいつは効果破壊もされずにカード効果の対象にもできず、さらに破壊したモンスター効果は無効になる!さあ遊野先輩、これなら……」
「わーったわーった。んじゃそれリリースしといて、代わりにドゴランあげるからさ」
僕の目の前にそびえ立っていた、後輩クンの呼び出した巨大な赤い魔人の姿が風に消え、代わりに炎を操る強大な壊獣が現れる。さよーならー、と手を振り見送ってから、次のカードをすぐに出す。
「……え?」
「で、イーグル召喚。ドゴランに攻撃して、戦闘破壊されたイーグルの効果でドゴランに寄生。3000ダイレクトで終わりね」
「う……嘘だぁーっ!」
メタルデビル・トークンは強力な効果と引き換えに、その維持に毎ターン1000ものライフコストがかかる。その上で攻撃力3000のドゴランの攻撃をまともに喰らえば、まあこんなものだろう。
「はい2点もーらい。おらおら、次は誰?誰でもいいからかかっておいでー」
これ見よがしに手招きするも、今のワンショットキルを見てすっかり気勢が削がれたらしい。周りを囲む人垣が一斉に下がり、ざわつくのが見て取れた。まったく情けない、自分から来ておいてその態度はないだろうに。
さて。そもそもなんで僕がデュエルしている……もとい、デュエルしていたのかというと、それは今日の昼にまで遡る。
「全校生徒の諸君、本日集まってもらったのは他でもない。いよいよ今年も、卒業デュエルの時がやって来た。泣いても笑っても、3年生諸君はこれが最後の学生生活となる。悔いのないように、全力を出し切り、デュエルに挑んでもらいたい!」
全校集会を開き、こんな演説をする鮫島校長。卒業デュエル、かあ。思い返せばこの3年間、なんだかあっという間だった気しかしない。思い返すともなくぼんやりと過去の記憶に浸っていると、壇上では校長からクロノス先生にバトンタッチした。つい先日授業ボイコットをやっていた人間と同一人物とは思えないほど本人なりにキリリとした表情で、僕らに向かって一礼したクロノス先生が声を張り上げる。
「それでは皆さん、今年の卒業デュエルのルールを発表しますノーネ。卒業生の目的は、デュエルをすることで蓄積する得点を重ねて100点にすること、ただ1つナノーネ。デュエルするたびに勝敗にかかわらず各1点をベースとして、1年生に勝つことができればさらに1点。2年生に勝てば2点、同じ3年生に勝てば3点がさらに加算されますーノ。同じ相手との連戦や敗北による減点はナッシング、累計点数が100点に達すればその生徒は晴れて卒業デュエルをクリアしたとみなしまスーノ」
勝敗に関わらず1点は入ってくるなら、これで落第す
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