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転生とらぶる
ペルソナ3
1902話
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順平が動く様子がない。

「順平!?」

 ゆかりもそれは同様だったのだろう。
 叱咤の籠もった叫びが周囲に響く。

「え……あ……」

 戸惑ったような順平の声。
 それを聞き、俺は横に跳躍してカストールを回避しつつ、カウンターの一撃を放つという選択を中止する。
 このままここで受け止める?
 いや、それだと順平にも被害が出るのは間違いない。
 つまり俺がやるべきなのは、少しでも順平との距離がある間にカストールをどうにかする事。
 一瞬にしてそう判断すると、瞬動を使って一気に前に出る。
 回避をするのではなく、こちらから真っ直ぐに……正面から、カストールに向かって突っ込む。
 瞬動の速度にカストールが認識していたのか、それとも殆ど反射的なものだったのか……それは分からないが、カストールの乗っている馬は、丁度俺に突き刺さるように額の角を向けてくる。
 このまま真っ直ぐに向かえば、自分から角に突き刺さりにいく事になる。
 そう判断した瞬間、身体を軽く傾け……突き出された角が顔のすぐ横の空間を貫く。
 角の一撃を回避し、そのまま一気に肩からカストールにぶつかり……次の瞬間、カストールは、それこそ壁にでも当たったかのように吹き飛ぶ。
 暴走している状態だからか、魔法とかを使ってこないのは便利だよな。
 ぶっちゃけ、弱いペルソナが暴走しても、魔法は使ってこないわ、攻撃は単純だわで、押さえるのに特に苦労はない。
 ただ今回の場合はカストールが能力の高いペルソナだからこそ、厄介な事になっている訳で……
 ともあれ、吹き飛んだカストールは大部屋の端でようやく動きを止め……次の瞬間、ようやく制御を取り戻したのか、その姿が消えていく。

「はぁ、はぁ、はぁ……悪いな、アルマー」

 ようやペルソナを押さえる事に成功した荒垣の言葉に、首を横に振る。

「気にするな。元々こうなるのは承知の上でお前にペルソナを使わせたんだ。それより、暴走した時の感じはどうだった? 何とかなりそうか?」
「……悪いが、何とも言えねえ。以前よりはマシなような気もするが、それも絶対って訳じゃねえしな」

 荒い息を整えると、荒垣はそう言ってくる。
 なるほど。まだまだ暴走させないようにする道のりは遠い、か。
 もっとも、それは荒垣が戦いの中で成長していけば多分大丈夫……というのが、俺の予想だ。
 勿論、それはあくまでも俺の予想であって、何か確証がある訳じゃない。
 強いて言えば……そうだな、幾つもの実戦を潜り抜けてきた、俺の勘がそう言っているといったところか。
 念動力が教えてるんじゃないので、確実性は少ないが。

「ま、昨日の今日ですぐにどうにかなるとは思ってないしな。もう少し気長に見たらどうだ? タルタロスはまだまだ続くん
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