ペルソナ3
1902話
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れは決して間違っている訳でもないのだろうが……同時に、本当の意味で今の荒垣の状態を表している訳でもないのは間違いない。
ちっ、厄介だな。……どうするべきか。
「アルマー!」
これからどう行動するべきかを迷った瞬間、不意に荒垣の口からそんな叫びが漏れる。
それは、俺に援護をして欲しい……という意味合いの声でないのは、明らかだった。
切羽詰まったその様子を見る限り、荒垣が俺に望んでいるのは……
「分かった、任せろ!」
荒垣に最後まで言わせず、それだけを叫ぶ。
同時に、荒垣の操るカストールはそのコントロール下から外れ……次の瞬間、あっさりとテーブルのシャドウをカストールが乗っている馬の長い角で貫く。
それが致命傷となったのか、テーブルのシャドウはそのまま消えていく。
その様子に安堵しているゆかりと順平に、俺は落ち着いた様子で声を掛ける。
「残念ながら、本番はここからだ」
「は? 何を言ってるんだよ。もう番人シャドウは全部倒したんだから、戦いは終わりだろ? 後は双方向ターミナルを使ってエントランスに戻れば……」
何を言ってるんだ? といった様子の順平だったが、俺の言葉を聞いたゆかりはすぐに気の抜けた状態から、いつでも戦闘が出来るように体勢を整える。
この辺りの差は、俺との付き合いの長さ……いや、濃さか。
「順平、しっかりして。アクセルがこういう事を言う時には、決して冗談とかじゃないから。それに……荒垣さんを見て」
「え? ……何か、苦しそうにしてるけど、何があったんだ?」
「ペルソナの暴走だよ。残念ながら、詳しい話は……この戦いが終わった後で、だけどな!」
俺がそう言うのと、カストールがこちらに向かって突進してくるのは殆ど同時だった。
にしても、昨日もそうだったが、なんでカストールは俺を狙ってくるんだ?
いや、昨日であれば、まだ公園にいたのが俺と荒垣の2人だけだったから、暴走状態のカストールが自分の主人、召喚者、マスター……言い方は色々あれども、そちらではなく俺に向かって攻撃してきてもおかしな話ではない。
だが、今は俺以外にゆかりと順平の2人がいる。
にも関わらず、カストールは真っ直ぐに俺の方に突撃してくるのだ。
……俺の後ろにはゆかりと順平の2人がいるが、それでもカストールが狙っているのは俺だと、間違いなく理解出来る。
殺気……という表現もどうかと思うが、ともあれカストールが狙っているのは間違いなく俺なのだ。
何も真っ正直にカストールの突進に付き合う必要もない。
一旦回避し、そのまま横から攻撃をすれば……
そう判断したが、ゆかりが俺から――正確にはカストールの進行方向から――距離をとって、弓を構えているのが分かるのだが、何故か俺の後ろにいる
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