~The hijack‐ANA600~
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ン、ツィスロンB……様々な毒ガスの名前が、頭の中に浮かんでくる。
「みんな急いで部屋に戻れ!ドアも閉めろ!」
バタン!とドアを閉める前に―飛行機がグラリ、と揺れた。バチン!と機内の照明は消え、その代わりに赤い非常灯が付く。
「―大丈夫!?」
「大丈夫、らしいな。どこも問題ない」
手足のマヒもない、目も見える、呼吸も正常―これは、一本取られたな。どうやら無害なガスだったらしい。
「アリア、あのふざけた喋り方―武偵殺しだ。俺のあったチャリジャックのボーカロイドの喋り方が、ちょうどあんな感じだったが…………やっぱり出たか」
「やっぱりって…………アンタ、武偵殺しがここに来ることが分かってたわけ?」
「確証は無かったが。次はお前を殺しに来ることは、推理出来てた」
俺はアリアに、とっくに切れたESSの時の推理を伝える。
「武偵殺しはバイク・カージャックと事件を始め―さっき話したシージャックで、とある武偵…金一さんを仕留めた。そして、恐らくそれは直接対決だった」
「…………どうして」
「そのシージャックだけ、お前が知らなかったんだよ。電波、傍受しなかっただろ?」
「う、うん」
「電波を傍受出来なかった理由は、こうだ。『船を遠隔操作する必要がなかった』 武偵殺し自身がそこにいたからな」
あの金一さんが逃げ遅れた、というのもおかしいとは思ってたしな。
「ところが、バイク・車・船と大きくなっていた乗り物が、ここで一旦小さくなる。俺の自転車に、バスだ」
「…………!」
「……分かったか?これは初めからメッセージだったんだよ。お前は最初からヤツの掌で踊らされてただけだ。ヤツはかなえさんに罪を被せ、お前に宣戦布告した。そして、シージャックで殺られた金一さんを仕留めたのと同じ3件目で今、お前と直接対決しようとしてる。このANA600便の―ハイジャックでな」
ぎり……と推理のニガテなアリアが歯ぎしりした、その時に―
ポポーンポポポン。ポポーン。ポポーンポポーンポーン…………
「「和文モールス…………」」
俺とアリアが、揃って呟く。
直後に俺は、その点滅を解読しようと試みる。
オイデ オイデ イ・ウー ハ テンゴク ダヨ
オイデ オイデ ワタシ ハ イッカイ ノ バー ニ イルヨ
「…………誘ってるのか」
「上等よ。行ってやるわ」
と言って、2丁拳銃を抜く。
じゃあ、俺もだな。
チャキッ……と懐から、ベレッタ・DEを抜いた。
「それじゃあ―」
「―いきますか」
~Please to the next time!
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