~The hijack‐ANA600~
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ら、雷の音が聞こえてくる。
ガガガ―――ン!!
一際大きな雷音が轟くと……アリアが目を瞑り、体を縮こまらせてる。
「…怖いのか?」
「こ、怖いわけない。こんなの全然怖くない」
ズガガーン!
「きゃっ!」
やっぱり怖いんだろうに。貴族のプライドというか、意地というか。見栄張らなくてもいいのに。
だが…双剣双銃のアリアにも苦手なものはあったんだな。ちょっと以外。
……少し、イジってみようかな…?
「そんなに怖いなら、ベッドにでも潜ってればいいだろ?」
「うっ、うるさい!アンタは黙ってて!」
―ズガガ―ン!
「―うぁ!」
あ、とうとうベッドに潜り始めた。さっき言った展開と全く同じになったぞ。
「くっ…………ふふっ」
あまりにも面白すぎて笑ってしまった。
「な、何笑ってんのよ!あとで風穴だからね!」
ズガガーン! ガガガーン!
機長の運転が下手なのか、単に運が悪いのか。
さっきから雷雲の近くを飛び続けてるな。
「う〜…………」
とうとうアリアが涙声になりながら、俺の服の袖を掴んできた。
っていうか う〜 ってなんだ、 う〜 って。某カリスマ(笑)吸血鬼か。
「あー、ほら。分かったから……TVでも見るか?」
と言ってTVをつけると……
『この桜吹雪、見忘れたとは言わせねぇぜ―!』
……名奉行、遠山の金さん。キンジのご先祖様だな。
「ほら、これでも見て紛らわせ」
「う、うん…………」
俺が安堵の息をついた、その時―!
―パァン! パァン!
2発、銃声が響いた。
―狭い通路に出ると、12の個室から出てきた人たちと…
数人のCA、老若男女が騒いでいる。
銃声のした機体前方を見ると―さっきのマヌケなCAがずる、ずる、と機長と副機長を引きずり出している。
何をされたのか…2人は全くも動いていない。
そして、どさっと2人を床に放り投げたソイツを見て、俺は反射的に2丁拳銃(ベレッタ・デザートイーグル)を抜く。
「動くな!」
俺の声にCAが顔を上げると、ニヤァとその特徴のない顔で笑った。
そして1つウインクをしながら操縦室へと引き返す時、
「attention please(お気を付け下さい)、でやがります」
そう言った直後、ピンっ。という音を立てて、取り出したカンを放り投げてきた。
俺たちの足元に転がってきた『それ』に、背筋が凍る。
「彩斗っ!」
雷の恐怖を押し殺しつつ、部屋から出てきたアリアが悲鳴を上げる。
シュウウウウウウウ…………!
煙の音から分かる。ガス缶だ!
サリン、ソマン、ホスゲ
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