第四章 リズと青い鳥
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楽譜について相談したいんやけど」
「なんですか?夏紀先輩」
「自由曲の上下のパート、どっちにするか先に決めておこうと思って」
「夏紀先輩はどっちがいいですか?」
「う〜ん、どっちでも!久美子は?」
「じゃあ私は上で」
「おっけー!じゃあ私は下やるな、2人はどうする?」
「私はどちらでも」
「じゃあ、じゃんけんで勝ったほうが上、負けたほうが下にするか」
「別にそれで構いませんよ」と承諾を得て、じゃんけんをして俺が勝った
「じゃあ私と拓海君が上で、夏紀先輩と奏ちゃんが下だね」
こうして低音パートでのミーティングが終わり練習が始まった。
練習後 昇降口
階段を降り下駄箱に向かうとそこには1人、小日向夢の姿があった。
サイドに結われた黒髪は三つ編みにされていて、その前髪はちょうど目元にかかるかかからないかという長さだ。ハーフリムの眼鏡をかけている。
「あ、お疲れ小日向さん」当時あまり喋ったことがなかったが同じ中学だったのもあり無視もできないので声をかけた。
「あ、神木君お疲れ様です。1人?」
「うん?あぁ…帰りは大体1人やで、パート練習が終わるのはバラバラやから」中学の頃いつも一緒だった宗人のことを言ってるのだろうか?と思いそう答える。
「そうなんや…こうやって話すんは高校入ってからは初めてやね」
「そう言えばそうやな、大体部員が多すぎるんよな〜中学の時なんて60人もおらんかったのに」
「そうやね、立華とか強豪校ならうちの倍くらいの部員らしいよ」
「えぇ…まじか想像しただけでゾッとするわ」
昇降口を抜け校門を出る。
「神木君は今日発表された「ラリマー」と「リズと青い鳥」の曲知ってた?」
「うーん、知ってるってほどではないけど両方聴いたことある程度かな?でも低音パートの先輩が熱心に解説してくれて、本もパート内で貸し借りすることになってん」
「へ〜そうなんや、私も本買って読まないとな〜」
「じゃあ今日一緒に買いに行く?駅近くの本屋で」
「え、いいよわざわざ…1人で買いに行けるから」
「俺どうせ本屋に用事あるし」
「そうなん?じゃあそうしよっかな」
「オッケー」
「低音パートはみんな仲良さそうやね」
「いや?そんなことないで、先輩たちはみんな優しい人ばっかりやけど1年はめんどくさいやつだらけ、特に久石とか」
「うそ!?久石さんなんて優しいし可愛いし1年生の中心人物やん」
「まぁ…世渡り上手なやつなのは認めるけどな。トランペットのパートはどんな感じなん?」
「みんな凄い人ばっかりやで」
「吉川部長とか高坂先輩とか?」
「そう!私じゃ全然足元に及ばんっていうか…」
「そんなことないやろ、高坂先輩が1年の中じゃ小日向さんが1番上手だって言ってたらしいし」
「そんなのお世辞に決まってるやん」
「高
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