第四章 リズと青い鳥
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」興奮したようにラリマーについて1人延々と語っているがほとんど右から左へと通り過ぎていった。
しばらくすると今度は自由曲である「リズと青い鳥」が流れる。
「自由曲「リズと青い鳥」は吹奏楽部ではお馴染みで、童話「リズと青い鳥」を元に作曲されたかなり物語性の強い曲になっています。なんといっても目玉は第三楽章のオーボエのソロ!そして後半のフルートとの掛け合いがめっちゃ素敵で一時期CMにされたこともありました」その話を聞き何人かがなるほど!と頷く。
「あ〜だからうち曲名は知らんのに聴いたことあったんやな」加藤先輩が納得する。
「うち、この話読んだことないなぁ…みっちゃんはある?」
「読んだことはないけど曲は聞いたことあるよ、全国大会で埼玉の学校が演奏してたから」
「流石美玲!楽譜もらったとき私も最初にその演奏思いついた」お互い口元を緩ませる。
「俺もその演奏は見たことあるわ」
「へぇ〜意外ですね神木君はそういうの興味ないと思ってました」
「はぁ?どういう意味やねん」
「そのままの意味ですよ」
「まあまあいちいち喧嘩すんなや」中川先輩が止めようとするがそれを聞いた俺と久石は
「先輩にだけは言われたくないです」ハモってしまう。
それを聞いたほかの人たちは確かに…とクスクス笑っていた。
「求はどうなん?この曲やったことあるん?」中川先輩が話題を逸らそうと求君に問う。
「まあ、一応…中学1年のときに」
「どやった?」
「どう、とは?」
「そのままの意味や、難しかった?」求君は少し考えて
「龍聖中には荷が重かったですね」
「ふうん」中川先輩が相槌を打つ。
「と、言うことで、せっかくこの曲を演奏するんやったらちゃんとどういう話なのか知らんといけないって思って、実は事前に自由曲何するか知っていた緑がまだ読んだことない人に貸そうと思い、持ってきました!」ばばーん、と自分で効果音を発し3冊の「リズと青い鳥」を取り出した。
「緑はなんで3冊も同じ本を持ってるの?」そう言う久美子先輩に求君は
「緑先輩が心優しいからですよ、自分だけでなくほかの人にまで気を遣えるなんて流石緑先輩です」
「あー、求見てると去年のどっかの誰かさんを思い出すな〜」
「実はこの前妹が小学校の発表会で「リズと青い鳥」の劇をすることになってそれで偶然緑とママとパパが同じ本を同時に買ってきちゃってて…それでこれは神様がみんなにこの本を貸すようにって言ってるんだって思ったんです」そう言う川島先輩に対し中川先輩は
「うちは持ってるからええわ」
「俺も…」
「じゃあ私は卓也君が読み終わったら貸してもらうわ」
これで3年生の分は必要なくなった。
「じゃあ、チューバ組とユーフォ組、あと1冊は求君ってことでいいんちゃう?」と加藤先輩が提案しその方向で収まった。
「お三方、
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