第三十二話 六人目の手掛かりその五
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「そう言われていたね」
「そうだったんだよな」
「それで大航海時代でもね」
「手に入れようと躍起になってな」
「インドまでどんどん船が出たんだよ」
「それが大航海時代の一幕だったんだよな」
正もジェラートを食べつつ話す。
「プレスター=ジョンの国とかも探してて」
「そうでした、元々はです」
「その国を探す為にな」
「船を海に出していました」
順一が正に話す。
「そうしていました」
「そうだったよな」
「当時はアフリカの南にあると思われていました」
そのプレスター=ジョンの国はだ。以前はアジアの方にあると考えられていてモンゴル帝国がそうではとも思われた。
「それで、です」
「アフリカの南まで行ってな」
船を使ってだ。
「同盟を結んでトルコを挟み撃ちにしようと思ってたんだったな」
「そうでした」
「それで大航海時代もはじまったな」
「はい、しかしです」
「そんな国なくてな」
「胡椒に新天地が手に入りました」
プレスター=ジョンの国の代わりにだ。
「そして新天地の富も」
「銀とかな」
「ジャガイモにトマトに玉蜀黍に唐辛子にね」
源三はこうしたものの名前を出した。
「色々手に入ったんだよね」
「そうでした」
「どれもこの島では普通にあるでござるが」
それでもとだ、進太も言う。
「拙者達の世界では違いました」
「大きな違いだよな、こうしてアイスも食えて」
久志はそのアイスをスプーンで美味そうに食べつつ言った。
「そしてな」
「胡椒もでござるな」
「使った料理が普通に食えるんだからな」
「素晴らしいことでござるな」
「やっぱり肉ってな」
これを食べるとなると、というのだ。
「香辛料がないとな」
「食べられないでござるな」
「俺はそれで食ったことないけれどな」
「拙者も実は」
進太もというのだ。
「ないでござるが」
「せめてソースか醤油でもないとな」
「口に出来ないでござるな」
「ああ、それでな」
「香辛料でござるな」
「それがないとな」
「食べることが想像も出来ないでござる」
進太はこう久志に話した。
「やはりでござる」
「そうだよな、どうしても」
「それで胡椒もな」
「ないとでござる」
「肉なんて食おうって考えられないな」
もっと言えば胡椒を使わない肉料理はだ。
「実際に」
「全くでござる」
「そう考えたらこの島の食いものっていいな」
「胡椒もありアイスもありで」
「いいな、じゃあもっとな」
「よくしていくべきでござるな」
「いい場所はよりよくする」
そうすべきだというのだ。
「何ていってもな」
「それが政治でござる」
「それで政治をな」
まさにそれをというのだ。
「俺達もやっていくことになるな
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