第二十九話
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ているようだが……と挟まれてしまう位置のために、バックステップにより元の位置に戻る。
「うふふわははは! ワタシの身体の状態を察するに、痛いじゃあないか!」
――こいつ、ヤバい。
そう思わせる眼光が俺を射抜き、姿勢を低くし、一直線に俺にダッシュで近づいてくる。
ならば待ち構える。
待ち構えるのに、もっとも適した技である抜刀術《十六夜》をするために一旦日本刀《銀ノ月》を鞘にしまう。
「察するに貴様は自らの攻撃を受けた時にどう対応するッ!?」
貴様自身の攻撃……?
白いマント男が《縮地》を行うことはまず不可能だ。
ならば、俺が行った攻撃と言えば……!
俺が何なのか思いたった瞬間、白いマント男は仲間である筈の髪を逆立たせた男を、俺に向かって投げ飛ばしてくる。
あの勢いをつけたダッシュは、俺へと向かう意味もあったろうが、あの髪を逆立たせた男を投げる為の勢いをつける為でもあったようだ。
そのことと武器から、あの白いマント男は敏捷重視であることが確実となったが……まずはどう対応するかだ。
逆立たせた男を斬り殺すのは論外として、そのまま当たるのもいただけない。
結論、普通に避ける。
回避位置を先読みして攻撃を行うことは、簡単に真似出来ることではない。
結果としてその判断は正解だったようだが……敏捷重視である白いマント男の追撃は素早かった。
「察するに貴様は……避けられない!」
そう言いながら、白いマント男は細剣の上位ソードスキル《スター・スプラッシュ》を俺に放ってくる。
八連撃という大技だが、それに比例して隙は大きい……!
「そこだッ!」
先程から準備していた抜刀術《十六夜》が煌めき、フェンシングの剣部分を切り裂き、残すは柄だけとなった。
しかし、柄だけになろうとも発動させたソードスキルは止まらず、何の威力も無い八連撃ソードスキルを続けなくてはならない。
「察するにワタシは……負けたようだ」
六連撃あたりで、白いマント男を麻痺毒をつけたクナイで無効化し、髪を逆立たせた男と共に縄で縛ってそこらへんに蹴り飛ばした。
俺は、オレンジプレイヤーを相手するのは手慣れているからともかく……はぐれてしまったキリトたちが心配だ。
みんなは……いや、俺も、そう簡単に相手の命を消すことなんてしない。
しかし、このラフコフの連中は違う。
殺人に対して何も思っちゃいないんだ――殺すことも、殺されることも。
だから、せめてキリトたちと早く合流しなくては……
「……って、思ってたけどな」
日本刀《銀ノ月》の刀身にこびりついた血を、日本刀《銀ノ月》を振りかぶることで払い、目の前のオレンジプレイヤー……いや、レッドプレイヤーに向ける。
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