暁 〜小説投稿サイト〜
提督はBarにいる。
持ち込み食材で晩酌を・1
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通しておかないと、えぐみが煮込んでいる内にスープに染み出してしまうからな。さやえんどうもラップをして1分加熱するか、沸騰したお湯でサッと湯がいておく。

マッシュルームは軸を落として半分にカットし、玉ねぎは1cm角の角切りに。

 鍋でバターを溶かし、鶏肉を入れて両面に焼き色を付ける。焼き色を付けたら刻んだ玉ねぎを加えて炒める。

 玉ねぎが透き通って来たら、白ワイン、水、顆粒コンソメ、粗く潰したホールトマトを加えて10分程煮込む。

 白ワインのアルコールが飛んでいるのを確認したら、芽キャベツ、さやえんどう、マッシュルームを加えてひと煮して、仕上げに隠し味の醤油を加えて火を止め、盛り付ければ完成。





「はいお待ち、『鶏肉と芽キャベツ、マッシュルームのトマトシチュー』な」

「シチュー……あぁ、ラグーの事ですね?」

「あぁそっか、シチューは英語でフランス語だとラグーなんだっけか」

 正確に言うなら、シチューに近い煮込み料理の総称をフランス語だとラグーと呼ぶというのが正解なんだが。コマンダン・テストは俺からシチューの盛られた皿を受け取ると、一匙掬って頬張る。コンソメの旨味とトマトの酸味、そこにマッシュルームと鶏肉から出たエキスが加わった味わいが口一杯に拡がり、味の染みた芽キャベツを噛み締めれば独特の仄かな苦味が染みたスープと共に溢れ出す。芽キャベツの青臭さとその苦味が嫌いだと言う奴がいるが、その苦味がいいんじゃねぇか。煮込んだキャベツらしい甘味もありつつ、仄かに苦味が走るその味は正に人生の味だ……なんて、もっともらしい事を語っていたツレもいたっけな。美味そうにシチューを頬張るコマンダン・テストを眺めていると、ドアベルが次の来客を告げる。




「う〜……さぶっ。なんや、コマ子も来とったんかいな」

 身体を震わせながら入ってきたのは龍驤だった。手にはビニール袋を下げており、中からガラガラと金属がぶつかり合う音が聞こえる。

「いらっしゃい……ってかコマ子ってなぁ」

「えぇやん、呼びやすぅて。なぁコマ子?」

「はい!コマ子、可愛いです!」

「まぁ、本人が気に入ってるんならいいんだがよぉ」

 なんだかなぁ。

「……で、ご注文は?」

「これで何か作ってんか。メニューはおまかせや」

 龍驤が持ってきたビニール袋の中から出てきたのはサバの水煮の缶詰だった。

「構わねぇが、温かいのか冷たいのか位は選んでくれ」

「そやなぁ……今日は何か冷えとるし、温かいモン頼むわ。あ、それと熱燗な」

「あいよ」



《野菜もたっぷり!サバの水煮缶味噌汁》※分量2人前

・水:400cc

・サバの水煮缶:お好みで(オススメは1人1缶)


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